定年後に、ネット系ビジネスで「月5万円」を稼ぐ話に関心を持つ同年代は結構いる?
前にブログ記事で、定年後にネット系ビジネスで月5万円を稼ぐにはどうしたらいいかという話を書いた。別に私が実践しているわけではなく、たまたまその方向に詳しい人から聞いた話であるが、同年代の友人に話すと、思った以上に関心が高かった。
そこで、今回は私自信の備忘録も兼ねて、その心構えとプロダクト作りのコツについて書いてみたい。
1. 少数の濃いファンを対象としたネットビジネスの心構えについて
数万単位の月間PV(Page View)や数万人のフォロワーを集めて、アフィリエイトやアドセンスで稼ぐネット系ビジネス(ブログ、X、YouTube等)は難しい。
ほとんどの場合、多くのフォロワーを集めることができずに挫折してしまうからだ。
他方、アメブロ、SNSとメルマガ(とLINE公式の併用)による、少数の濃いファンを対象としたビジネスの場合は、とりあえずアメブロで300~500人位のフォロワーを集めれば可能性があるので、ぐっとハードルは下がる。
とは言え、この手法も誰でも簡単に出来るというわけではなく、それなりの心構えやセンスが要求される。
①まず必要なのが「読者目線」
能力的には、定年まで勤め上げることができたエリートサラリーマンであれば、このビジネスを遂行するのは難しく無いはずである。
しかし、規模は非常に小さくても、企業の組織の一員としてではなく、集客からプロダクト作りまで全て自分1人でやらなければならない。このため、長年のサラリーマン時代の考え方や行動パターンを切り替える必要がある。
まず求められるのが「読者目線」である。
長年サラリーマンをやって、年功序列で「部長」とか「年収1200万」に到達した経験があると、それなりのプライドがあり、「専門性」「知的レベルの高さ」を誇示したくなるかも知れない。
しかし、この少数の濃いファンを対象としたネット系ビジネスの場合、最初に求められるのが「読者目線」であり、とにかく、わかりやすく、読者が知りたい情報を発信する必要がある。中学生でも理解できるようなわかり易い文章で、スマホでスラスラと読める文章を書くことを意識しなければならない。
これは、「簡潔でわかりやすい文章を書け」と、若いことに会社で指導されたことは誰でもあるだろう。しかし、ここでは、もう一歩踏み込んで、なるべく専門用語を避け、読み易い文体で書くことが重要ということである。
それから、このビジネスは、個人ビジネスであり、自分自身の「個性」を押し出すことがポイントだそうだ。このため、カッコいい綺麗な文章よりも、「感情」を上手く伝える書きぶりが大切ということだ。これは、サラリーマン時代とは異なるので、少し慣れが必要かも知れない。
②柔軟性:意外と専業主婦がこの手のビジネスに強い理由
ある程度、読み手にフレンドリーでわかりやすい文章を書き、自分の「感情」も上手く伝えられるようになったとしよう。そうすると、アメブロのフォロワーも徐々に増えて来るだろう。
その段階で、次に求められるのは「柔軟性」だそうだ。
どういうことかというと、このビジネスは自分のファン(アメブロやSNSのフォロワーや読み手)に対して、自分自身のプロダクト(自分のスキルや経験を活かしたサービス)を売ることであるが、プロダクトの人気を高めるには、自分のファンの意見に耳を傾け、それに合わせてプロダクトを変えていく「柔軟性」が求められるからだ。
特に、エリートサラリーマンがそれなりのポジションで定年を迎えた場合には、プライドが高く、「自分にはこのやり方がいいんだ」ということに固執すると、ファンの臨むプロダクトから遠ざかり、収益化は難しくなるという話だ。
この点、このアメブロ等を利用して自分自身のスキルを売るビジネスは、意外と専業主婦で成功する人がいるそうだ。中には、「月5万円」というレベルを超え、軽く月収は100万円を超え、本業化してしまう人もいるそうだ。
何故かと言うと、専業主婦の場合、会社での肩書や定期収入も何も無い。
このため、「私は何者でもない」という謙虚な、真っ白な状態からスタートするので、ファンの意見や質問を素直に吸収し、地道に顧客の欲するプロダクトを仕上げていけるからだ。
ここは、長年サラリーマンをやってきた者にとっては、耳に痛い話かも知れないが、切り替えるしかないだろう。
③継続性
ネット系ビジネスの場合、地道に情報発信を継続し、コツコツとフォロワー、PVを増やして行くことが前提なので、それなりの時間はかかる。このため、継続できる根気強さが求められる。
このアメブロ中心に集客して、メルマガに持っていく形のビジネスでは、アメブロのフォロワー300~500人であれば、半年もあれば十分到達可能である。しかし、そのためには、毎日500~1000字程度の記事を発信していくことが求められるので、ある程度、継続して行く力が求められる。
また、メルマガに100人以上の登録者を集めるには、アメブロ開始から1年位は見ておいた方がいいので、収益化までの頑張りを継続することが必要だ。
もっとも、この点については、定年まで勤め上げた実績があれば、自信を持てばいいだろう。
2. プロダクト作りのコツ
サラリーマンの場合、上記1の、アメブロ500~1000字程度を基本的に毎日発信するというのは、それほどハードルは高くないだろう。
しかし、カギとなるのは、こちらのプロダクト(収益化の手段である自分自身のスキルや経験値を活かしたサービス)だろう。
サラリーマンの場合、プロダクト、すなわち、売り物は会社の方で用意してくれるからだ。
ところが、このネットビジネスの場合は、プロダクトを全て自分自身で用意しなければならないのだ。
①自分の体験から好きなもの、得意なものを抽出する
ただ、これは個人の「個性」が重視されるビジネスであり、「月5万円」程度であれば、それほど難しく考える必要は無い。何故か?それは、他の人より多少詳しければOKという、「相対的」な優位性があれば十分だからだ。
例えば、海外駐在経験が長く、得意な「英会話」を武器にしたいと考えている人がいたとしよう。この場合、「英会話」は市場も大きいが、競合も多い。ネイティブレベルの流暢な会話レベル、TOEIC満点といった猛者はゴロゴロいるが、心配する必要は無い。
何故なら、その世界でナンバー1とか権威である必要は無く、自分に英語を教えて欲しいというファンが10人いて、月5千円払ってくれれば、それでOKだからだ。
このため、アメブロで発信するのは、自分の英語力の高さそのものではなく、海外駐在の様子、カルチャーの違いなど、直接英語とは関係無い話も発信しつつ、自分の体験談・失敗談を交えると、「英会話の権威ではなく、この人から直接教えて欲しい」というファンが付いてくるだろうということだ。
また、サラリーマンの場合、英会話、財務経理、人事労務、広告マーケティング、ITといったハードスキルだけではなく、コミュニケーション、コーチング、カウンセリングといったソフトスキルをプロダクトにする手もある。ひょっとすると、こっちの方がビジネスチャンスはあるかも知れない。何故なら、「経理」や「人事労務」系は既に専門職がいるし、個人のクライアントは見つけにくかったりする。他方、「上司に気に入られるコミュニケーション手法」、「扱いにくい部下を上手く使うためのカウンセリング術」といったものの方が、自分の「個性」を活かすことができるからである。
②市場の細分化、絞り込みが個人が稼ぐコツ
それから、このビジネスが良いのは、市場が小さくても全然構わないということだ。
(もっとも、市場/ニーズが無いと困るが…)
これは、この手法に詳しい人に聞いた話だが、アメブロの個人ビジネスの例としては、
「高齢者に特化したパソコン教室」、「50代女性に特化したスキンケア」、「足が痛くならない靴選び」、「断捨離」等、市場の細分化を行っている。
「年代」「性別」等で、対象を絞り込んで行くことによって、自分自身の市場を見つけて行くことが求められる。
例えば、先ほどの海外駐在経験を活かした「英会話」の場合、対象者を「60才以上」と絞るとチャンスが拡がる可能性がある。高齢者が対象だと高い授業料は払えない反面、一般の英会話教室は安くても月1万円~というところがザラなので、月5千円にすると優位性が出来る。そこで、10人集めれば月5万円達成である。そして、その中で、お金に比較的余裕のあるファンがついて、個別レッスンで月2~3万円もらえるようになると、月10万円も突破できる。絞り込みの先に、チャンスが生じるのである。
③自分の「悩み」にヒントがある
プロダクト作りのヒントとして、「悩み」に着目するという手法もある。
人は必ず何らかの「悩み」を抱えており、その「悩み」を解消するためにお金を支払うからである。
この「悩み」は仕事に直接関わるものでなければならないということはなく、プライベートな悩みとその経験に着目しても構わない。
例えば、バツ2の人が恋愛/心理カウンセラー(離婚相談特化)をやるとか、成績が悪かった子供を名門大学入学までもっていった体験談(難しい子の教育/受験)といったものがその例である。
上記がプロダクト作りのヒントであるが、ポイントは、ファン(アメブロやSNSのフォロワー、メルマガ会員等)の意見やニーズを上手くプロダクトに反映し続けていくことである。
アメブロでプロダクト案を出しながら、ピボットして行くというのもアリなので、このあたりの工夫は長年のサラリーマン経験を活かすべきであろう。