定年前に、「生まれ変わったらサラリーマンにはなりたくない」について考えてみた

定年後の生活をテーマにした人達のブログ、YouTubeを見ていると、

「生まれ変わったらサラリーマンにはなりたくない」とのコメントをしている人を時々見かけることがある。

 せっかく定年まで勤め上げたのに、今までのキャリアをネガティブに捉えるのは残念な話である。

 過去は変えられない中、定年後に向けてマインドをポジティブに切り替えた方が楽しく生きれそうな気がするから、意図的にサラリーマンの良さについて考えてみたい。 

自営業は本当にサラリーマンよりも良いのか?

 「隣の花は赤い」ということで、現職サラリーマンをやっていると、自営業を羨ましく感じることがある。

 ただ、当然ではあるが、自営業、サラリーマンにもいろいろあって、どちらが良いとは言い切れないと思う。この点、サラリーマンよりも自営業の方が、幅がありそうなので、

 成功した自営業>多くのサラリーマン>成功していない自営業

 といったところではないだろうか?

 「売上は青天井」、「経費でベンツが買える」、「自分のペースで自由に働ける」、「嫌な上司の下で働かなくてもいい」といった、自営業のメリットをすぐに思い浮かべるサラリーマンはいるかも知れないが、他方、「収入が不安定」、「全て自分でやらないといけないので面倒くさい」、「仕事とプライベートの線引きが不明確になってしまう」といったデメリットもある。 

定年後の生活に絞って、サラリーマンの魅力を考えてみると…

 自営業者とサラリーマンについては、それぞれメリット・デメリットがあるのだが、定年後(自営業者には定年が無いので引退後)に絞って見ると、サラリーマンの魅力がいろいろと見えて来る。

 まず、サラリーマンには退職金という強みがある。

昔と比べて退職金の平均額は下がっているというが、それでも大企業の場合だと、2千数百万円位は期待できる。しかも、退職金は税制面において非常に優遇されている。それまで税制面で旨味が無かったサラリーマンが最後に、税制上の優遇措置を享受できるのは嬉しい話である。

 そして、年金の面でもサラリーマンの方が自営業者よりも有利である。

もちろん、現役時代に高い社会保険料を徴収されているわけなのだが、基本的に国民年金一本の自営業者よりも、受給額は多いだろうし、大企業の場合には、これに企業年金が加わったりするので、ますます有利である。

 さらに、サラリーマンの場合は、給料をもらう上で負債を抱える必要は無い。

また、サラリーマンは自ら人を雇う必要は無いので、自分が辞めたいと思えばスパッと辞めることができるが、人を雇っている自営業者の場合は、従業員のことを考えると簡単にはリタイアできないケースもあろう。

 こういった定年後の生活におけるサラリーマンのメリットを意識すると、これらの強みを活かすことが出来ると、定年後に対してポジティブな見方を出来るのではないだろうか? 

定年後に、自営業者の良さを体験できるチャンスもある

 それから、やる気があれば、サラリーマンも定年後には自営業者になることは出来る。

いきなり、大規模なビジネスは出来ないし、やるべきでもないが、小規模でお金、オフィス、在庫が不要なネットビジネスをこじんまりと営むことができる。

 そうすると、自分のやりたい仕事を、サラリーマン時代の様な束縛は無く、自分のペースでやることが出来、売上次第で経費を使うことも可能となる。

 もちろん、そのためには、それなりの経験やスキル、準備期間が必要であるが、早期退職するのではなく、定年後に始めるのであれば特に失うものは無い。

 また、定年後であると、○○万円を売り上げないと生活ができないというプレッシャーも無いので、費用がかからないネットビジネスであれば、挑戦する価値はあるだろう。 

サラリーマンとしての強みを活かして、充実した定年後を送るには?

 以上のことをまとめてみると、サラリーマンとしての強みを活かして、充実した定年後を送るには、サラリーマン時代の嫌な思い出は忘れて、ポジティブにマインドを切り替えるべきである。

 まず、退職金、年金・企業年金と、ある程度の生活基盤がお膳立てされているという有難みを認識した方がいい。これに、自ら自分で用意した老後資金があり、定年後も、適宜アルバイトをしたり、ひとり起業によって収入を得ることが出来れば、経済的には充実した老後を送ることが出来そうである。

 さらに、やりがいとか挑戦という点では、お金を掛けないという前提であれば、ひとり起業をやってみるのも悪くない。別に赤字でなければ、月5万円でも10万円でも稼ぐことができれば、サラリーマン時代とは異なる楽しさ、やりがいを感じることができるのではないだろうか?