起業コンサル系ビジネス市場は縮小傾向?
私は50代のサラリーマンで、定年後は再雇用ではなく、「ひとり起業」をやってみたいと思っている。とは言え、何十年間、若干の副業を除くと、サラリーマン以外やったことが無いので、起業コンサル等を受けてスキルを習得する必要がある。
過去には何回か起業コンサルを受けたことがあるが、この度、新しい起業コンサルの方にお話をうかがうことが出来たので、その話の概要を自分自身の備忘録を兼ねてまとめておきたい。
まず、残念なことに、起業コンサル、コーチング、サポートと、名称は違えど、起業コンサル系のビジネス市場は、最近では急激に縮小しているという。このため、起業コンサル・サポート系の仕事をされている方は非常に集客に苦労されているという。
その理由にはいろいろあるが、起業で成功できる人はほんの一握りだということである。起業塾やコンサル系の宣伝文句には、「ダメ人間だった私が月商●●円稼げるようになった」的なことが書かれているが、実際はそんなに起業が生易しいはずがない。SNSとかブログを使って地道な継続的な情報発信・集客作業が求められるが、すぐには成果が出ないSNS系集客を根気よく続けることが出来る人は一部に過ぎない。
また、起業塾・コンサル系だと、SNS集客のやり方等を教えることが多いが、その前提として、自分自身の商材、プロダクトが不明瞭なケースが多い。SNSやブログでのフォロワー集めが得意な人は、「集客さえ出来れば、あとはどうにでもなる」と豪語する人もいる。確かに、それは真実かも知れないが、そこまでの集客力がある人は極めて例外的であるので、多くの場合は、良い商材、プロダクトの構築から始めた方が堅いのだが、そこを指導できる起業塾やコンサルは必ずしも多くない。
結局、起業塾やコンサルで教わっても、成功できる人が少ないと、長期的にはその市場は縮小していくということである。
但し、副業系や、シニア向け起業サポート市場はまだ可能性がある
但し、起業コンサル市場全体は縮小傾向にあるとは言え、市場を細分して見ると、伸びている市場もあるという。例えば、副業系の市場や、シニア向けの起業サポート市場はまだ期待できるという。副業であれば、月商100万円以上を目指す起業とは異なり、月に5~10万円でOKである。そうすると、集客についても、商材/プロダクトの質についても、ハードルは低くなる訳なので、参加者の希望に応えられ、紹介や再受講につながる可能性が相対的に高いからである。
また、シニア向けの市場については、インフレによる年金の実質的な目減りや、再雇用の満足度の問題から、私の様に小規模な定年後起業をやりたい人達のニーズは潜在的には結構ありそうだからである。
それでは、シニア向けの定年後起業サポートビジネスに参入すべきか?
定年後に、簡単な起業で、月に5~10万円でも稼げるようになるのは非常に意味がある。定年退職をしてしまうと、定期収入が無くなるだけでなく、肩書・職場という「居場所」自体が失われてしまう。
ところが、たとえアルバイト程度の金額であっても、自分自身の力で月に5~10万円でも稼ぐことが出来れば、やりがいや社会性の面で、非常にありがたい。また、私の様に、サラリーマンしかやったことが無い人間にとっては、給料の1万円と、自分自身のビジネスで稼ぐ1万円とは別の意味がある。
そういった意味から、私は定年退職者向けの起業サポートビジネスは面白そうだと思っているのだが、話をうかがうと、この市場に参入するのは難しそうである。
その理由は、やはり、たとえ月に5~10万円規模のビジネスであっても、そこまで到達できる割合は高く無さそうだからである。集客の手段として、SNSとかブログを起点に、最終的にはメルマガとかLINE公式に誘導する必要があるが、そこに到達するには早くても1年位は必要となるだろう。それまでは収入ゼロの状態が続くわけなので、サラリーマン歴が長いと、そのような先行投資に耐えられる人はそれほど多くない気がするのである。
それから、私自身、定年後ひとり起業に興味はあるし、SNSやブログで集客できる自信はあるものの、現役サラリーマンであるので、今まで起業での成功体験があるわけではない。ある程度、自分自身が起業で成果が出てからの集客となると、かなり先になってしまう。
やりたい仕事と、稼げる仕事は一致しない…
起業コンサルの方からも言われたが、自分がやりたい仕事と稼げる仕事は別である。やる気や興味があっても、自分自身のスキルが不十分だったり、そもそも市場自体が無ければ稼ぐことは出来ない。
私にとって定年退職者向けの起業サポートビジネスは、やりたい仕事かも知れないが、稼げる仕事では無さそうである。
そうだとすると、私が定年退職者向けの起業サポートビジネスに関わるとすれば、営利を主眼としない、勉強会の様な形でやるべきなのだろう。まずは、そういった形でテストマーケティングを行ってみて、何かビジネスチャンスが見つかればOKというスタンスである。
ただ、定年者の起業というのは、私にとって非常に関心のあるテーマであり、まだ自分自身が定年退職を迎えるまで時間はあるので、継続的に調査をしていきたい。