日銀の政策金利引き上げで、住宅ローンの金利上昇が心配?
2025年1月に日銀が政策金利を0.25%引き上げた。
この結果、住宅ローンを変動金利で借りている人にとっては、住宅ローンの金利上昇が不安だろう。周りを見ても、住宅ローンを借りている人の多くは変動金利で借りているので、その金利上昇に伴う家計への影響が気になるようだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB207RX0Q5A120C2000000/
定年準備の一環で老後資金のために積立投資をしている人は、住宅ローンの金利上昇に対して、どのように考えればいいか?
50代で老後資金のために積立投資をしている人も、まだ住宅ローンを完済している人は少ないだろうから、金利の上昇は困った問題である。
住宅ローンの支払い分が増えた分、積立投資の額を削った方がいいのか、或いは、貯蓄を切り崩して、一部繰上げ返済をすればいいのか、それとも、節約で乗り切るべきかと考えることはいろいろある。
理論的には、積立投資の期待利回りが、住宅ローン金利を上回っていれば、積立投資を減らすべきではないということになる。
しかし、これはそんな単純な問題ではない。
何故なら、積立投資の期待利回りは、あくまでも「期待」利回りであって、確定したものではない。また、住宅ローン金利も変動の場合、将来の金利がどう動くかはわからないからである。
また、月々の生活費、節約の可能性、現在の貯蓄額、子供の教育費やリフォーム代等の将来の支出予定額、退職金や企業年金の額、目標としている老後資金額、相続の予定額、住宅ローンのタイプや残債等、いろいろ考えることがある。
結局は、このような資産・負債と収支状況を踏まえて、総合判断した上で対応を決定することになるのだろう。
住宅ローン変動金利の5年ルール、125%ルール
なお、住宅ローンの変動金利については、「5年ルール」と「125%ルール」というものが定められているケースも多いという。
「5年ルール」というのは、金利が上昇しても、5年間は月々の返済額は変わらないという取り決めである。
また、「125%ルール」というのは5年経過後も月々の返済額は125%までの金額にしか増やせないという取り決めである。
このため、住宅ローンを変動金利で借りているからと言って、今回の日銀の利上げで対応を焦る必要は無いケースもあるだろう。
この点については、一応、住宅ローンのタイプについてチェックしておく必要がある。
もっとも、5年ルールや125%ルールが発動されると、結局は支払利息の先送りになってしまうので、別途対応策を考える必要はある。
https://www.sbishinseibank.co.jp/retail/housing/column/vol72.html
焦らずに、じっくりと調べて、対応策を考えればいい
今回、利上げはあったものの、それほどインパクトのあるレベルではない。
急激に月々の返済額が増えるというわけではないだろうから、焦らずに、自分自身の資産や収支の状況について調査をして、結論を出せばいいだろう。
自分だけで考えるのが不安であれば、このあたりが詳しい知人に相談したり、独立系のFPに相談するのもいいだろう。
50代のサラリーマンであれば、もう一頑張りすれば住宅ローンの呪縛からも逃れられる時期でもあるので、一気に貯蓄を取り崩して繰上げ返済をしたり、老後資金の積立投資額を減らしたりする必要は無いだろう。
老後資金の積立をしつつ、月々の生活費の支出増も考えなければならないというのは面倒なことではあるが、バランスが大事であるので、ここはじっくり考えたいところである。