コロナ後の不動産価格の高騰によって、この手の話は結構聞くようになった
たまたまスマホのGoogleに上がってきた、知らない人のアメブロ記事を読んでみた。
https://ameblo.jp/momomomomomomonouchi/entry-12884910736.html
これは、アラフォーの主婦の旦那が、転職に伴う引越しで、持ち家を売却したら予想以上の高値で売れ、加えて、転職に伴い退職金も手に入ったので、一気に「準富裕層」(純金融資産額が5000万円~1億円)というお話。アラフォーで準富裕層というのは、悪くないだろう。
この手の話は、定年準備をしている50代となると、割とよく聞く話である。
そして、この年代は自宅売却に加えて、60歳時点で退職金をもらうと、一気に「富裕層」(純金融資産額が1億円~5億円)に仲間入りする人もいる。
(準)富裕層になってから、そのお金をどうするか?
マイホームの売却益と退職金によって、一気に、金融資産額が大幅増というのは、嬉しい話である。ただ、増えた金融資産をどうするかについては、よく考えた方がいい。
何も考えずに、普通預金で眠らせてしまうのは勿体ないからだ。
普通預金じゃ勿体無いというのはわかっているが、他方、せっかく運(コロナ後の不動産価格急騰)と長年の努力(退職金)によって手にした大事なお金なので、減らすのは嫌だという気持ちもある。
そこで、バランスの良くお金を運用するには、どうすべきか悩ましいところである。
私の友人は自分だけではなかなか決められないということもあり、証券会社の友人や、独立系FPに相談した結果、以下のようなプロセスでお金の使い道を決めたと言う。
まずはガッチリと元本確保をしたい金額を決める。
富裕層になった彼が最初に決めたのは、元本確保をしたい金額である。
そして、元本確保したい金額は、流動性によって、普通預金と個人向け国債に分けて考えたそうだ。
まず、こういった場合、生活費の半年分とか1年分をキープするという考え方があるが、彼の場合は手堅く、約2年分の生活費を流動性の高い普通預金とスーパー定期で確保することにした。それと、定年後に必要になりそうな高額の支出(車の買い替え費用、住居費、旅行代、家具・家電等の耐久消費財支出)の額も概算する。これでざっと2千万円位が、生活費のストックとして確保された。
次は、退職金は、ほぼ全額を個人向け国債 変動10年に振り向けることとした。
最近になってようやく、個人向け国債の利回りも以前よりは出るようになったが、まだ1%にも満たない水準である(2025年2月時点)。
しかし、金融機関の友人やFPに相談すると、退職金は老後の生活費に充てるべきという、手堅い考え方が多いようで、彼は退職金はコンサバに個人向け国債(変動10年)にすることに決めたのである。
こうして、彼は金融資産の約半分を預貯金と個人向け国債で元本確保することにした。
残りの半分の金融資産をどうやって運用するか?
金融資産の半分を手堅く元本確保したとしても、残りの5千万円以上を株や債券といったリスク資産に投資が出来るのが富裕層の強みである。
ただ、その投資対象については、いろいろ考えることがあって、なかなか意思決定ができなかったという。
彼はまだ現役なので、定年後のライフプランがまだ固まっていない。
定年後は現役時代の7割位の生活費というのが目安になるようだが、果たして、それで足りるかどうか?
また、自分の年金の額はどうか、60歳を過ぎてからの再雇用はいつまで働くか、リタイアした後もアルバイトとか小さなビジネスで少額の収入を得られる見込みはあるか、等を考えないと老後の生活費はなかなか決めきれない。
その際には、キャッシュフローをどうしたいかについても併せて考える必要がある。
理想は、フルリタイアするまでは複利効果を享受するために、無分配型の金融商品を投資対象とした方がいいのだが、60歳を過ぎて再雇用になると月々の収入が減るので、ある程度お小遣い(金融資産からの分配金)も欲しい。かといって、再雇用期間の間にお小遣いを多く受け取れるポートフォリオにしてしまうと、65歳でフルリタイア以降の年金生活に入ってからの収入源に耐えられるかが気になるところである。ただ、65歳になると、半分キープしていた預貯金・個人向け国債を取り崩したり、投資に回したりという選択肢もある。
考える項目が多岐に亘るし、将来は予想できないことも多い。
いろいろ悩んだ末、山崎元さんの名著「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えて下さい!」にも感化され、彼は結局、1/3を無分配型の外国株式のインデックスファンド、1/3を毎月分配型の外国債券ファンド(アクティブ)、1/3を日本株の高配当利回り型のファンド(年2回分配、アクティブ)に投資をすることとした。
https://bunkyosha.com/books/9784866516707
それなりに手堅いし、分配金も確保できる組み合わせなので、そこそこ悪くないように見える。富裕層というのはうらやましがられる立場であるが、持ったが故に、いろいろな悩みも生じるようである。
いずれにせよ、大きなお金の使い道なので、自分でいろいろ調べたり、詳しい人の話を聞いたりして、納得した上で投資判断をすることが重要であろう。