定年後を見据えて、定年準備を始める時期は50歳を過ぎてからという人が多いのではないだろうか?40代の場合は、仕事でも家庭でも、いろいろとやることが多く、まだまだ先に感じられる定年後の準備までなかなか手が回らないからだ。
しかし、物覚えが悪くなり、フットワークも鈍ってくる50代になると、新しいことを吸収したり、実践する力が若い頃よりも劣化している気がする。
私の場合、50歳を過ぎてから定年準備を始めたのだが、もっと若いうちからやっておけば良かったなあと思えることがいくつもある。
今回は、そのうち特にやっておけば良かったと後悔される5つのことについて、取り上げてみたい。
(順不同)
①生命保険に関する正しい知識の習得
私はアラサーの頃から、某外資系生命保険に加入しており、今まで何の見直しも行っていない。金額は毎月2万円程度であり、終身無しの、医療保障特約付きの定期保険だ。
おそらく、途中で見直しを行い、その分をコツコツと積立投資に回していたら、コロナ以降の株価高騰にも乗って、そこそこの金額が貯まっていたかも知れない。
しかし、保険に関する知識は無く、関心も無かったので放置していた。
生命保険の見直しは、節約における主役であるので、私も定年準備を始めた段階で何とかしないといけないと気付いたが、具体的な方法がわからない。
本を読んだり、ほけんの窓口やほけん百花に数回相談に行ったが、基本がわかっていないので、まだ見直しは実行できていない。
中立的な保険に詳しいFPに相談に行きたいのであるが、探し方もわからず、今までずるずると来ている。
昔は生命保険会社に勤めている友達はそれなりにいたが、今ではすっかり疎遠になっているので、聞ける人がいない。
そういうわけで、若いうちに、生命保険についてまともに勉強しておけば良かったと後悔している。
②ミニマリストの節約の哲学
50歳を過ぎると、そこから収入を増やすのは難しくなる。
社内での出世や転職による収入増は期待しにくいからだ。従って、資産形成のカギとなるのは節約術である。限られた収入を前提に、優先順位を決めてメリハリをつけ、ストレスを溜めずに、如何に投資資金を産み出すかの勝負である。
節約を勉強している過程で、非常に感銘を受けたのは、このミニマリストの節約の哲学である。
https://www.youtube.com/watch?v=SN0dx0o_Vjs&t=86s
節約術に関する本やウェブ情報は沢山あるが、どの支出項目をどのように減らしていくかというテクニック面ではなく、節約の目的に着目した哲学を語る人はそれほど多くは無いかも知れない。
この方は、節約は手段ではなく目的であって、節約によってお金を浮かせることにより得られるものこそが重要と説く。確かに、節約がゲーム感覚となり、増えていく通帳の数字を見て喜ぶことが目的ではない。節約によって得られたお金を幸福どの上がることに振り向けて初めて、有意義な節約となるのである。
私は漠然と節約によって老後資金を最大化できたらいいとしか考えていなかったので、この話を聞いて、後頭部をハンマーでガツンと殴られたような衝撃を受けた。
確かに、そうじゃないと私がやろうとしていた節約は、今流行りのDie With Zeroとは異なる、単なるゲームとなってしまう。
このため、節約したお金が幸福度の上昇に直接的につながることを目的とし、老後資金の積立とは別に、「100円貯金」を始めることとした。これで貯まった分は全て趣味・娯楽に使うつもりである。
③独立系FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談してみる
私は昨年、生まれて初めてFPに相談をしたのであるが、非常に満足している。
FPが教えてくれる話の内容は、投資の基本書に書かれている話であるが、実際に対面で具体的な話を聞くと、モチベーションも高まるし、同じ商品を買うにしても安心感が高まるのだ。
運用というのは、結局、上がるか下がるかがわからいリスク商品に投資をするということなので、何らかの不安がある。そこで、誰かに背中を押してもらうということも必要かも知れない。
独立系FPの場合は、教科書的なオーソドックスな話(資産分散、銘柄分散、長期投資、ドルコスト平均法等)が多いと思われるし、いろいろなケースを知っているので、それなりに面白い話が聞けるはずである。
このため、私は、有料でもいいので、独立系FPを探して相談してみたいと思っている。
④ネットでの副業に関するノウハウ作り
私は、定年後にネットで月に5~10万円くらい稼げればいいなと思ってブログを始めている。しかし、ブログを始めたぐらいでは、月5~10万円を稼げるほど甘くはない。
そのためには、ブログ以外のSNSを併用したり、メルマガ・LINE公式に誘導したりといった、メディアの運用スキルが求められる。
また、それには、自分自身の収益モデル、プロダクトを作る必要がある。
もちろん、長年サラリーマンをやっていても、そんなノウハウは誰も教えてくれない。
私も50代になって、その手のコンテンツを購入したり、コンサルを受けたりしている段階である。
その点、もう少し前から、ブログ、X、Instagram等を用いた副業で稼いでいたら、もっとスムーズに事が運んだ気がする。
また、その手のネット系ビジネスで独立しているような人達との交流が無いので、そちらの方面の人脈も気付いておけば良かったと後悔している。
それから、マーケティングの基本知識についても、もっと勉強しておけば良かったと思っている。
サラリーマンにはわからないことばかりなので、若いうちからネット系の副業をやると、自分の知識や人脈が拡がって良いのではないかと思う。
⑤読書の習慣
定年後は時間があるので、お金がかからなくても楽しめる娯楽はいくつもあると思う。
読書も、その1つである。
ただ、サラリーマンでバリバリと働いている頃は忙しいので、読書の習慣がほとんどないという人もいるだろう。私も、ミステリーの話題作をために買って読むというレベルであった。
しかし、定年準備の段階で、定年後に備えて、読書の幅を拡げてみると結構面白い本が沢山あることに気付く。本屋大賞、直木賞受賞作、ノンフィクション等々、いろいろある。
また、漫画についても、名作と言われながら全く読めていないものも結構ある。
読書の幅を拡げるのは、50歳を過ぎてからでも全く問題無く出来るのであるが、今ではブックオフとかメルカリとかがあるので、ちょっと昔の作品であれば安く買って楽しむことが出来る。
そういう点で、もうちょっと前から、ミステリー以外のジャンルの本も読んでおけば良かったかなあと後悔している。
他にも、もっと前からやっておけば良かったという項目はいくつもあるが、気付いた時点でやっていけばいいだろう。