1.50代の今から始めて、老後資金向けに2000万円を貯めることは可能か?
2019年の「老後2000万円問題」をきっかけに、一般的に、老後の生活費のための資産形成に対する問題意識が高まったのではないだろうか?
私も同じで、定年後の生活に向けて、今から十分な金融資産を持てるように頑張らないといけないという気になっている。
もっとも、「2000万円」で果たして十分なのかどうかはよくわからないが、
とりあえずは、2000万円を貯めるのも大変なので、そのためにはどうすればいいかを考えてみた。
そこで、まずは、金融庁の積立シミュレーション用のソフトを使って試算してみることとした。
【金融庁:つみたてシミュレーター】
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/
このシミュレーターの真ん中にある「毎月いくら積み立てる?」をいじくってみた。
シミュレーションをするには、
- 目標金額
- 想定利回り(年率)
- 積立期間
の3要素が必要であるが、①の目標金額は2000万円とする。
そして、今50代であるので、再雇用をどうするか等にもよるが、あまり長期間積立を継続することは想定しづらいだろう。そこで、10年間とすることとした。
残るは、②の想定利回りであるが、前にファイナンシャルプランナー(FP)に相談しに行った際に、「(グローバル)株のインデックス投信で運用するなら5~7%と想定して良い」ということを聞いたので、やや控えめに「5%」とすることとした。
そうすると、月々の積立額は約「12.8万円」となった。
(ちなみに、想定利回りを3%とすると14.3万円、想定利回りを7%とすると11.5万円となった。)
サラリーマンで50代となると、既にこれぐらいの金額の積立をやっている人もいるだろうが、それは給与水準、消費性向、家庭の事情等によって様々だろう。
ただ、50代のサラリーマンは、まだ住宅ローンを抱えている人の割合が高く、子供の教育費とか、親の介護とか、支出も多い年代だろう。
もちろん、ボーナスからも一部その積立に振り向けるというのも可能だが、月々12.8万円ということは、年で考えると12.8×12か月=153.6万円である。この金額はほとんどのサラリーマンにとって、手取りの1割を超える金額だろう。
そう考えると、50歳を過ぎてから、積立投資だけを頼りに定年後までに2000万円作ることは、かなりハードルが高い。
2.それでは、50代から積立投資を始めた場合、現実的にはどれくらい貯められそうか?
あと10年間は積立投資を続けることが出来るくらいの給与をもらい続けることが出来るとした場合、現実的には、いくらぐらい資産形成をすることが可能なのだろうか?
上記の通り、「2000万円」を作るには月々12.8万円も必要なので無理そうだが、積立金額を下げるといくら貯められるのか気になるところである。
月々10万円コース
まず、月々10万円を積立投資に振り向けることが可能だとしたら、いくら貯まるのか?
先ほどと同じ、想定利回り(年)5%、期間10年とすると、シミュレーションの結果は、
1553万円となる。
もっとも、キリが良い金額だから「月々10万円」を想定しただけで、これでも年で見ると10万円×12か月=120万円なので、こちらも実行するのは難しそうである。
月々5万円コース
それでは、月5万円ならどうか?
今までと同様に、積立期間を10年、想定利回り(年)を5%と想定すると、シミュレーション結果は、「776万円」となった。
(ちなみに、想定利回り3%なら699万円、想定利回り7%なら865万円となった。)
月々5万円の積立10年で、776万円という数字をどう考えるかであるが、10年掛けて1000万円に届かないのは、ちょっと寂しい気がしないでもない。
しかし、それは考えようで、さすがに月5万円なら頑張って捻出できる金額ではないか?
それで、退職金とは別に、776万円の金融資産を持てるというのは悪くないと思う。
月々5万円であれば、ボーナスも積立原資と出来るなら、例えば月々3万円で、半年ごとのボーナスで12万円ほど振り向けることができればOKである。これぐらいは何とかしたいところだ。
あるFPの話だと、夫婦の携帯代と生命保険を見直せば月に3万円位は捻出可能のようなので、これはやってみるしか無いのではないか?
3.50代からの積立投資の実行に向けて
さて、月々5万円の積立投資を開始して、10年後に約776万円の資産形成をすることは可能だということはわかったが、大事なのは実行に移せるか否かである。
月に5万円といっても、行き当たりばったりで捻出しても継続できないと意味はない。
したがって、この資金の捻出のために「節約」について調べてみたい。
資産運用に強いFPは、家計や節約は詳しく無かったりもするので、そっちに強そうなFPの話を聞いてみたい。
また、FPに相談する前に、非常に多くの節約本が存在するので、今度、ブックオフで良さげな本を探してみたい。
それから、月々5万円を捻出するには、「節約」以外に、収入を増やすという手段もある。
具体的には「副業」だ。月数万円程度なら、サラリーマンが実行可能なものもあるはずなので、こちらも調べていきたい。
最後に、この月々5万円の積立投資を続ける習慣が出来ると、金融資産の獲得以外にも、金融リテラシーの向上とか、規則正しい定年後の生活といった副次的な効果も得られそうである。
例えば、節約や副業スキルを磨いて、再雇用後、更にはリタイア後も、月々5万円の積立を継続すれば、その効果はかなり違ってくる。月々5万円、想定利回り5%を10年ではなく、15年続けると1336万円、20年だと2055万円にもなる。
そういう訳で、次のステップとしては、まず節約を勉強して、月々5万円を持続的に捻出できるような計画をしっかりと立てたい。