老後資金形成のためにNISA、iDeCoを始めたい人は多いと思うが
サラリーマンが50代になると、定年後に向けて老後資金の形成を始めたいという人は結構いると思う。老後資金をコツコツと積立投資で形成していく場合には、NISAやiDeCoは相性が良さそうである。
しかし、NISA、iDeCoは結構わかりづらいと感じる人もいるはず
私も、2024年に新NISAが騒がれたこともあり、関心を持って少し調べたことがあるのだが、結構わかりづらくて、すぐに投げてしまった。
もっとも、金融機関の担当者の勧めで、その方のアドバイスに従い、やってみると非常に簡単であった。
もっとも、私の場合、iDeCoも始めたいので、改めてNISAとiDeCoについて勉強しようと考え、改めて最も簡単そうな本を買ってきて再度勉強し直そうと思った。
「はじめての新NISA&iDeCo」(頼藤太希、高山一恵著)
ちょっと大きい本屋に行くと、NISAとiDeCoに関する本は山ほどある。
私がその中で選んだ本がこちらである。
選んだ理由は、NISAとiDeCoの両方について解説してあることが1つ。
NISAについてのみ解説した本が結構あるのだが、私の場合は、iDeCoにも関心があるので、2冊買うのは面倒であり、両方解説してある本を選びたかった。
もう1つの理由は、漫画と図解が多くて読み易そうだったからである。
NISA、iDeCoがわかりにくいと感じた理由
この本は読み易いし、上手く説明してくれていると感じたが、私の場合は既にそれまでに投資関連の本を読んだり、詳しい知人に聞いたり、金融機関に足を運んで説明を受けていたという事情がある。
しかし、投資に関して始めて読む人にとっては、これを読んでもNISA、iDeCoをすぐに理解できるかどうかはわからない。
昔の制度はどうでもいい
まず、わかりづらいと感じる原因は、NISAに関する旧制度との比較が書かれていることである。著者の立場からは、これを書かざるを得ないのかも知れないが、これからNISAを始めようとする人にとっては、昔の制度はどうでもよい。冒頭で、いきなり制度の比較の説明がされると、躓く人もいるだろう。
口座開設の手続関係が面倒くさい
また、本書でも「口座開設が最初の壁?」という記載があるが、確かに、この段階でやる気を無くす人がいるかも知れない。おすすめ金融機関としては、SBI証券、楽天証券、マネックス証券といった大手のネット証券が紹介されることが多いが、それまで銀行としか取引経験が無く、ネット回りが得意でないオジサン達にはネット証券のハードルは高いかも知れない。
本書の半分近くが投資商品や投資戦略の解説
本書自体は読み易く、中味もわかりやすく解説してくれていると思うが、
本書は190頁弱であるうち、その約4割が投資商品や投資戦略に関する説明である。
最初に「リスク許容度」の説明があるが、いきなり、国際REIT、J-REIT、外国債券と並べられても投資初心者にはピンと来ないかも知れない。
また、ターゲットイヤー型・リスクコントロール型、インデックス型とアクティブ型、ETFと投資信託、と情報がぎっしりと詰め込まれ、誰かに教えてもらわないと消化不良を起こしそうである。
さらに、最後の30頁は「投資戦略」についての章であり、ポートフォリオ、コア・サテライト戦略、おすすめ投資信託、おすすめETFの紹介と盛りだくさんであり、初心者がここまで理解するのは楽ではないだろう。
本書は図が多く、文章も読み易いが、他の分厚い解説書となると、もっと厳しいかも知れない。
とりあえずは、詳しい人に教えてもらうのが手っ取り早い?
まあ、本の場合、「とりあえずS&P500かオルカンで始めてみたら?」というようなことを言えないので、一通りのことを順番に解説せざるを得ないのだが、そうなると、なかなか1冊読んだだけで理解するのは難しいかも知れない。
その点、YouTubeあたりにも参考になる動画はあるが、取捨選択がわからない。
結局、とりあえず基本的な解説書を読んでから、誰か詳しい人に教えてもらうのが一番簡単ではないだろうか。
金融機関に相談するのもありだが、自社に有利な商品を勧誘されるリスクがあるので、私はこれをお勧めしない。
独立系FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談するのも悪くないと思うし、有料の場合だと、その分、一生懸命吸収しようとするという面もある。ただ、どうやって良いFPを探せば良いかがわからない。
私の場合、高島屋が提供するFPサービスを受けたことがあるが、良かったと思う。
非常に教科書的でオーソドックスな解説をしてくれたし、金融商品のゴリ押しみたいなことは一切なかった。高島屋が好きな人にとってはお勧めかも知れない。
https://www.takashimaya-fp.co.jp/
投資の知識や経験が無く、これからNISAやiDeCoを利用して投資を始めようとする場合、それなりに覚えることは多く、手続きとかが面倒に見えるかも知れないが、50代ともなると老後資金の形成に充てられる時間は限られているので、早めに行動した方がいいだろう。