iDeCoの魅力
私は定年後の老後資金形成に向けて、昨年から準備を開始し、夏に積立投資とNISA口座を開設した。そして、個人の資産形成ツールとして、NISAと並んで推奨されているのがiDeCoである。いろいろな個人投資家のブログ、YouTube等を見ていると、NISAとiDeCoの両方をやってこそ一人前的なイメージを持ったので、私も何となく始めてみたいと思った。
自分で調べてみたところ、iDeCoというのは、個人が掛け金を積み立て、投資信託等の自分が選んだ商品で運用した後、原則60歳以降に年金または一時金で受け取る仕組みであることがわかった。要は、その名の通り、個人型の確定拠出年金である。
そして、特に有り難いのが税制上の恩恵である。
NISAと同様に、iDeCoにおける運用益は非課税である。このため、非常に効率的な運用が可能となる(もちろん、リスク商品で運用した場合、元本保証ではないので損をすることになるリスクはある。)。
また、NISAには無い大きな魅力が、掛け金は全額所得控除できるという点である。
節税がやりにくいサラリーマンにとって、これは有難い制度である。もちろん、生命保険とかふるさと納税とは別枠での控除も可能である。
さらに、受取り時においても税制優遇措置が講じられている。
特に、私には、所得控除が出来るというのが刺さったので、是非始めてみたいと思った。
FPや金融機関に尋ねてみると、意外と冷たい扱いを受けた…
NISAを始めたので、次はiDeCoだと思い、どうやって始めればいいのかFPに聞いてみた。そうすると、その人が詳しく無かったのかも知れないが、それは金融機関に聞いてくれと言われてしまった。
仕方が無いので、NISA口座を開設した信託銀行に相談してみると、そこでも詳しくないのか、あまり儲からないからなのか、同じ様に冷たい対応をされ、「ネット証券でやる人が多いのではないか?」というようなことを言われた。
仕方なく、自分で調べてみると…
iDeCoに関する情報は、ネット、YouTubeに溢れているが、結局は本で勉強するのが一番早道だと考え、私は本屋に行ってみて、一番わかり易そうなこの本を買ってみた。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784415333779
その結果、やろうと思えばできなくなるが、特に以下の2点が面倒だと感じ、そこで頓挫してしまった。
- 10桁の年金基礎番号がわからない
- 事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書
まず、1点目は年金手帳とかに書いてあるらしいが、年金手帳が手元に無く、貸金庫とかに平日行くことになるのは面倒くさい。
そして、決定的なのが、2点目で会社にこの証明書を作ってもらうのが面倒くさい。
まあ、iDeCoはメジャーな制度なので、申請している同僚も結構いるかも知れないが、気の小さい私は、自分の資産形成のためだけに、会社を煩わせるのに抵抗感を感じたのである。
こういった経緯から、iDeCoの所得控除という税制上のメリットを感じながらも、そこで作業は止まってしまっていた。
制度改正でiDeCoは、やり易くなった?
すっかりiDeCoのことは諦めていたのだが、たまたま今年の2月に所得税の納税関係で、勤務地近くのみずほ銀行を訪れた際、アンケートを求められ、そこにiDeCoに興味があるかという項目があった。「興味あり」と回答すると、待ち時間の間に呼ばれ、iDeCoに関する説明を聞く機会を得た。
みずほ銀行の担当者の方から話を聞くと、制度改正によって、何と上記の2点目の会社からの証明書が不要になったという。そうであれば、10桁の年金基礎番号さえわかれば、10~15分位の手続でiDeCoを開始できるということだ。そして、年金基礎番号は、マイナンバーのポータルサイト経由で調べることが可能ということも聞けた。これで、iDeCoを始める上での問題点は全て解消した。
大手金融機関の中では、みずほ銀行だけがiDeCoの勧誘に熱心な気がするが、これは最大1800万円分の非課税枠があるNISAと比べて、月々掛け金が数万円程度のiDeCoでは営業上の妙味が薄いと考えるから、他の大手金融機関は熱心ではないのだろう。
https://www.mizuhobank.co.jp/ideco/index.html
今、iDeCoを始めるかどうか迷っている理由
その後、マイナポータルで簡単に自分の年金基礎番号を知ることが出来た。
後は、みずほ銀行に行って、iDeCoを始めるだけである。
しかし、今頃になって、iDeCoを始めるべきかどうかで悩んでいる。
その理由は2つ。
1つ目は、50歳を過ぎてから始めても、月々の掛け金が大きくないだけに、それほど大きな額の貯蓄ができないこと。例えば、毎月2万円を想定年利5%で運用した場合、20年間だと822万円、30年間だと1,665万円にもなる。しかし、10年間だと311万円にしかならない。まあ、これでも悪くは無いのだが、何となくインパクトは大きくない。
2つ目の理由は、こちらの方が大きいのだが、基本的にお金を引き出せるのは60歳を過ぎてから。これは既存の確定拠出年金もそうなのだが、私としては直感的に何となくこれが引っ掛かっている。引き出せないからこそ、貯蓄にとっては望ましい制度だという意見もあるが、私の場合、既にNISAは始めているし、別途インカムゲインを主眼とした投資も行っている。このため、そこまでやる必要があるかなあという気がしている。
とは言え、始めるにしても、とりあえず月1万円位から始めてみて、出来そうなら途中で掛け金を増やそうと思っているので、資金が固定化されるといっても、大した問題は無い。
それに、所得控除というのは有難いので、理屈の上では、やってみても問題は無いだろうと認識し始めている。
そういうわけで、悩んではいるが、とりあえず月1万円位で年内のどこかで始めてみようと思っているところである。