やりたいことを考える前に、まず、捨てることから始める
定年後を見据えて、「生きているうちにやりたいこと」を考えてリスト化することは意外と難しい。40代、50代は、仕事や家庭に関してやることが多く、なかなか「やりたいこと」や「夢」をじっくり考える余裕が無いからだ。
だからと言って、慌てて、無理にやりたいことを見つける必要は無く、じっくり時間を掛けて選びたいものである。
そこで、やりたいことを考える前に、まずは、捨てることを決めて、実行し、スッキリとした気持ちや環境を作っておくのは悪くない。
何を捨てるか、どういった切り口で考えるか?
「断捨離」といった言葉が普通に飛び交うようになった今、何を捨てるかについては、情報が溢れている。捨てることについては、いろいろな切り口があり、「成功するために」、「自分を変えるために」等、いろいろなものがある。
また、物質的に捨てるべきものの紹介は多いが、それ以上に、「他人の目」、「自己否定」、「過去の自分」、「虚栄心」、といった抽象的、概念的で自己啓発絡みの項目も多い。
今回は、定年前の50代のうちに実行し易い捨てるものをピックアップしたいので、わかり易く、比較的可視化しやすいアイテムに着目したい。
定年前、50代のうちに捨てたいこと、捨てたいモノ
今回は「定年前」を軸にして、本やウェブで見てきたコンテンツを参考に、自分なりに捨てたいこと、捨てたいモノ(物質的な「物」)について考えてみた。
無駄な時間
大前研一さんの名言、「人生を変えるには、『時間の使い方、付き合う人、住む場所』を変えるのがいい」、を参考に、真っ先に実行すべきは「無駄な時間」を捨てることだと考えた。
地上波
まずは、「地上波」を見る時間が思い浮かぶ。良い「ドラマ」「音楽番組」「旅番組」等、有益な番組はもちろんあるし、そういったものまで排除する必要は無いだろう。ただ、要らないのはニュースとかバラエティ系ではないだろうか?ニュースはネットでチェックすれば十分だろう。特に、専門家でもないコメンテーターが国際情勢、政治、スキャンダルの話をする番組を見て、参考になるだろうか?ある成功した起業家が、「政治とか自分の力でどうしようもないことは考えるだけ無駄だから興味無い」と言っていたが、地上波のニュースやバラエティをだらだら見るのは避けたいところである。
新聞
次に、「地上波」と似ているかも知れないが、「新聞」を長時間読むのも同様である。
例外は、日経新聞だろうが、電子版でマーケット情報に絞って読むとか、日経ヴェリタスにフォーカスするという手もある。新聞を隅から隅まで読むのは定年後の高齢者の修正とも言われるが、他の有効な活動に転用するのを考えてみたらどうだろうか?
SNS/YouTube
そして、現在では、地上波放送や新聞以上に、見直すべきはSNS/YouTubeの閲覧時間かも知れない。これも、純粋に楽しんだり、何らかの参考にする目的で視聴したり、或いは、通勤等の隙間時間に視るのであれば構わないが、惰性で見ている時間帯が長いと勿体ない。
無駄な交流、付き合い
人生を変えるには、「付き合う人」を変えることも大切である。
特に、「定年」によって、否が応でも会社との関係は切れてしまう。
定年退職日や、定年後1か月位は、まだ会社関係の人達との付き合いは持続するかも知れないが、定年後半年も過ぎると、すっかり切れてしまうのではないだろうか?
定年退職日には、「定年後も、時々、会社に顔を出しに来て下さい!」と言った社交辞令を真に受けてはならない。現役の会社員達は、今の仕事に精一杯で、定年退職者のことなど考える余裕は無いのだ。2~3年も経つと、「そんな人いたかなあ…」ということになるだろう。
従って、50代も後半になり、役職定年になると形式的な付き合いをしても意味が無い。
その時期は、定年後に向けて新たな人脈を構築することに注力すべきであって、そのためには、無駄な交流は捨てていった方がいいのではないか?
同様に、会社に限らず、特に楽しい訳でも無く、仲がいい訳でも無いのに、何となく続いている交流関係も見直す時期だろう。
新しい人脈を築くのには、パワーや調査時間や軍資金も要る。
不要となる交流、付き合いを捨てることによって得られる、時間・費用・労力を、定年後に必要となる新しい人脈作りに振り向けたいところである。
定年前に捨てたいモノ(物質的な物)
上述した、「無駄な時間」、「無駄な交流関係」と比べると、無駄なモノを捨てることは遥かに実行が可能である。これによって、自分の家の雰囲気が変わり、スッキリするとやる気にもつながるので、早い段階で実行したい。
本
まず、捨てたいなモノは要らない「本」である。
特に、ここではブックオフとかメルカリでは値がつきそうもない、かなり古く傷んだ文庫本・ハードカバーや、特に古雑誌をまとめて一気に処分したいところである。
私の場合、100円ショップで「ひも」を買ってきて、大量の古雑誌とか「るるぶ」「まっぷる」古くなった地図をまとめて捨てて、部屋がかなりスッキリした。
書類
本に続いて、同じ紙類ということで、不要になった書類をまとめて処分したい。
ここでいう書類とは、完済した住宅ローン関係の書類、更新して不要になった生保・損保関係の書類、古い履歴書、昔の自動車の見積書といったものである。
ここでのポイントは、個人情報等が書かれていて、資源ごみとして出せない類のものである。この点、現役サラリーマンであれば、会社のシュレッダーとか書類廃棄用ボックス等を使えるので、便利である。(もっとも、会社のリソースの私的利用なので、あまり大きな声では言えない話かも知れないが、廃棄のタイミングを分散する等、他の人の迷惑にならないような使い方をすればいいのではないか?)
服
一般的に、服装・お洒落に無頓着と言われる50代サラリーマンであるので、昔の着なくなった衣類は放置されていることが多いのではないだろうか?
これはその人の性格にもよるが、すっかり履かないジーンズ系、くたびれた古いTシャツやポロシャツ、ベルト、擦り切れ気味のシャツ等、結構溜まっていたりする。こういったものは場所をとるので、一気に片付けてスッキリしたいものだ。
また、定年後は出勤の必要が無くなるので、多くのスーツとか通勤用の靴とかネクタイ等を抱えておくことはないので、この機に断捨離したい。
電化製品等
これも探せば結構無駄なモノが転がっている。
例えば、今は使っていない古い電気シェーバー、携帯用の目覚まし時計、CDラジカセ、ポータブルカセットプレイヤー、ガラケー等である。
これらは、普段のゴミの日に捨てられないので、計画的に廃棄したい。
家具類
これは上記のモノとは違って、自分だけではなく、他の家族にも関係するところである。
ただ、子供が独立したり、結婚したりといった変化もあるので、急に要らないものが出て来たりする。
家具はスペースを取るので、不要なものを廃棄できれば、かなりスッキリ出来るので、検討の価値はあるだろう。
とりあえず、モノでも交流関係でも、やり易いことから早く始めることがポイント
この中ですぐに実行できるのは、不要なモノの処分であろう。
交流関係とか、時間の使い方に関しては、すぐに割り切って捨てられないこともあるだろう。
しかし、今気がついた時にすぐに実行しないと、結局、そのまま放置されがちである。
人生を変えるには実行力が重要なので、出来ることから早く始めて行くことがお勧めである。