定年準備とお金、銀行の金利優遇キャンペーンは得か?

銀行の預金金利はまだまだ低い

 非常に長い期間、銀行の預金金利はほぼゼロの状態が続いていた。

2024年になって多少預金金利が上がったとは言え、メガバンクのホムペを見てみると、せいぜい普通預金で0.1%、スーパー定期で0.125%といった水準だ(20241227日時点)。 

それでは、銀行のキャンペーン金利はお得なのか?

 まだまだ銀行預金の金利は低いのだが、キャンペーン金利というものがあって、一定の期間、一定の条件下で、金利を優遇してもらえることがある。

 FP関係のコンテンツには、この手のキャンペーン時の定期預金は得だから利用すればいいといったことが書かれている。

 そこで、今、「定期預金 キャンペーン金利」で検索をしてみると、

例えば、三井住友信託銀行の「冬の円貨定期預金 金利優遇キャンペーン」が見つかる。

https://www.smtb.jp/personal/campaign/maturity_202412 

ボーナスからの資金獲得を目論んでいるようで、期間は2024122日(月)~2025228日(金)までの約3か月間で、結構長い。

 条件としては、新規の場合は1契約300万円以上のお預け入れ、または、満期資金振替の場合は、新たな資金300万円以上の増額が求められている。まあ、新規資金の取り込みが目標なのだろうから、これは理解できる。

 気になる優遇金利は、固定型と変動型の2種類ある。

固定型は、5年もので年0.65%、2年もので0.55%、

変動型は、5年もので年0.50%、2年もので0.50%、

となっている。

 まあ、大して驚くほどのお得感は無いものの、普通の定期預金と比べたら確かに得だ。

最低金額の300万円を変動型の2年ものに預けたとすると、1年あたり、税込みで15千円の金利となるので、悪くは無いだろう。お金を動かすのが面倒でなければ、やってみてもいい気がする。 

金利優遇キャンペーン利用の留意点

 FPによると、おすすめの優遇金利であるが、実は留意点もある。

留意するタイミングは、時系列で見ると、3段階ある。 

  • 入口でのリスク:抱き合わせ販売

 上で紹介している三井住友信託銀行のキャンペーンはこれには該当しないが、他の金融機関では、他の元本保証ではない商品と抱き合わせで預金をすることが条件の優遇金利がある。

 典型的なものは、信託銀行の退職者向けの優遇金利であり、年7.2%という非常に高い優遇金利が提供されているケースがある。

 当然、上手い話には理由があって、非常に手数料の高いファンドラップとか、所定のアクティブ投信がセットになっている。

 しかも、金利が年利7.2%とあっても、預入期間が3カ月と短いので、まるまる7.2%相当の金利を受け取れるわけでも無い。

 もちろん、もともと投資信託に投資をする意図があって、その上で、こういう優遇金利を利用するのであればいいが、金利だけに釣られて、十分な吟味をしないまま、金融機関の言いなりで投信を購入するのは避けた方が賢明だろう。 

  • 預金の預け入れから満期までの期間のリスク:途中解約

 当然かも知れないが、定期預金の優遇金利は満期まで保有することが条件なので、満期までに途中で解約してしまうと、優遇金利は享受できない。

 元本割れのリスクは無いものの、わざわざお金を動かして預金をしたので、優遇金利は受け取りたいものである。従って、金利の高さだけを比較して満期を選択するのではなく、そのお金を寝かせておける期間を検討した上で、期間を選択したいところである。 

  • 満期時のリスク:リスク商品への被誘導リスク

 入口が抱き合わせで無いタイプの優遇金利キャンペーンにおいて、最大のリスクは満期時だろう。銀行としては、優遇金利はマーケティング費用であって、満期後のお金を取り込むためにやっているようなものである。

 従って、満期になると、投資信託とか保険とかラップとか、手数料が高い商品・サービスを勧めてくる可能性が高い。

 そこで、金融機関の言いなりになって、不本意な商品やサービスを購入することが無い様、留意する必要がある。 

結局、金利優遇キャンペーンは利用した方がいいのか?

 上記の通り、金利優遇キャンペーンは、金利だけを見ると、確かにお得である。

しかし、満期後の金融機関の勧誘に流されないという自信が必要である。

その点、自信があれば利用しても悪くないだろう。

私も、この三井住友信託銀行の冬の円貨定期預金 金利優遇キャンペーン、300万円くらい預けてみようかなあと考えている。 

個人向け国債との比較

 最後に、金利優遇キャンペーンの利用を考えるに際しては、個人向け国債との比較をしてみたい。個人向け国債の「変動・10年」の利回りは2024年になるとそれなりに高くなり、20241111から募集した分については、0.65%と、キャンペーン金利並みとなっている。リスク資産への投資は抵抗があるが、ある程度寝かしておけるお金があれあ、個人向け国債の変動・10年に回してもいいかも知れない。 

https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/shisanunyou/kokusai/kj_suy_ks_kjhendo.html