若くないので、積立投資の開始時期が遅れるのは避けたい
50代は老後資金を蓄積して行く最後のチャンスと言われることがある。
子供の教育費から解放されたり、住宅ローンの完済が見えてくるようになったり、相続で一時的にまとまったお金が入ったりする時期だからである。
もっとも、50代は決して若くはないので、老後資金に向けた積立投資は早く始めないと、運用期間が短くなり、貯めることが可能な資金額が少なくなってしまう。
例えば、毎月5万円の積立投資を行い、想定利回り5％（年率）で運用できると想定しよう。
この場合、50歳から始めて65歳まで積立を続けたとすると、15年後には1,336万円にもなる。
他方、5年遅れで、55歳から積立投資を始めると、運用期間は10年となり、65歳時点での金額は776万円となってしまう。
これは投下資本の総額が少なくなる訳だし、複利効果も相対的に低くなるので、当然ではあるが、月5万円（ボーナスも併用するとすれば月3万円程度）の捻出であれば十分実行可能性は有るわけなので、どうせなら早く始めたいものである。
積立投資をなかなか始めることが出来ない人達の特徴
①ネガティブ思考
「株式市場や債券市場が10年後暴落しているかも知れない」、「少子高齢化で日本の競争力に不安を感じるので、投資をしても大丈夫なのか」、この手の不安を持つ人は当然いるだろう。
もちろん、金融市場が将来どうなるかについては、誰も正確に予測することは出来ないし、10年後に積立投資が損となっている可能性もある。
しかし、投資をするというのは、それまでの過程はわからないものの、上がったり、下がったりしながら、長期的にはプラスになる妥当という考えだから投資をするのである。
このため、そこが納得できないとか、不安を強く感じるのだあれば、投資をしなければいいだけの話だ。
ただ、その場合は何もしなくていいのではなく、積立定期をやればいい。
そうすると、運用については考える必要は無く、如何に節約をするかのみ考えればいい。
月3万円を預金に振り向け、金利ゼロと想定しても、10年後には360万円となる。
投資は不安だからやりたくないということであっても、老後資金に向けた何らかの対応はした方がいい。
②情報はやたら収集し、細かいことに拘り悩むタイプ
真面目で勤勉なサラリーマンには、この手のタイプが存在する。
雑誌、ウェブ、金融機関訪問等をして、とにかく多くの情報を集めて、いろいろな知識はあるが、細かいことが気になって決断できないタイプである。
例えば、書籍でネット証券がいいという情報を収集するものの、楽天証券とSBI証券のどっちがいいかで悩む、また、投資対象でオルカンとS＆P500が人気だがどちらにすればいいのか悩む、この種のパターンである。
はっきりいって、そういったものは大した違いじゃないので、そこで悩んで行動に出ない時間が勿体ない。オルカンとS＆P500で決めきれないなら半分ずつ投資をすればいいだけの話だ。
50代の場合、投資ができる時間は若者と違って限られるので、より大切な投資期間や月々の投資金額を最長・最大化できることに注力した方がいい。
③NISA、iDeCoのことがよくわからなくて、そこで止まっている
実は、これは私自身の反省点でもある。
この手の制度とか、手続のことがわかりづらいというか、面倒くさそうに感じたので、そもそもまともに情報収集とか勉強もしなかった。
しかし、実際に金融機関に足を運んで、担当者の言うとおりにやると本当に簡単にNISA口座を開いて、その口座を通じての投資を始めることができた。
いちいち調べるくらいなら、金融機関の窓口で聞いてみた方が早い。
もちろん、NISA口座の理想的な使い方が出来ているという自信は無いが、少なくとも、始めないよりは良い結果となっている。NISA口座を開いて困ることは特に無いからだ。
iDeCoはNISAよりも面倒臭そうであるが、こちらも併用するメリットはありそうなので、私は次はこれもやってみたいと考えている。
私の様に、NISAやiDeCoの手続とか事務的な面が面倒臭そうと思う人は、
ネット証券よりも対面の取引の方が向いていそうなので、いくつか自分に合いそうな金融機関をいくつか実際に回ってみて決めればいいと思う。
完璧な資産運用を目指す必要は無い
せっかく、老後資金の形成を始めようと思って、それに向けた準備を開始したのに、細かなことに囚われて途中でスタックしてしまうのは非常に勿体無い。
資産形成するに当たっては、時間は非常に大切なのだ。
本やネットの情報だけだと、それほど重要でないところで引っ掛かったり、不安になったりする場合もある。
それを回避するためには、信頼できるメンターのような人がいればいいのだが、それは簡単に見つかるわけではない。
そう考えると、実際に金融機関に足を運んでみるのがいいだろう。
完璧な資産運用を目指す必要は無く、とりあえず始めてみて、徐々に修正して行くのがいいのではないだろうか？