1.サラリーマンなら誰でも定年後のお金については不安がある
定年後は、給与収入が途絶えてしまう。
よほどの金融収益や不動産収益でも無い限り、年金を受け取れるようになったとしても、大幅に定期収入が減ってしまうので、サラリーマンは定年後のお金について不安を持つのも当然である。
ただ、問題なのは、周りがサラリーマンの定年後のお金について、必要以上に不安を煽っていることである。
まず、メディアは、そもそもなるべく多くの人を自分のメディアに誘導しようというビジネスであるので、定年後のお金の問題について、必要以上に恐怖心を煽る情報発信をしがちである。「将来は円が300円になるかも知れない」とか「年金が破綻するかも知れない」といった類のものである。
また、メディア以上に問題なのが、金融機関の我田引水的な情報発信である。
「老後は2千万円では足りず、少なくとも5千万円は必要である」とか「インフレで預貯金の価値が大幅減となる」というようなことを言って、自社の扱う投資信託とか保険に誘導しようという目的である。
さらに、2019年の「老後2千万円問題」の問題提起等、政府までも老後のお金と対策の必要性を強調してくると、ますますサラリーマンは定年後のお金が不安になるだろう。
2.自分自身の定年後のお金の不安の原因について考えてみよう
サラリーマンが定年後のお金について不安を持つことは仕方が無いのだが、その解決策を考えるにあたって、まず自分自身の定年後のお金の不安の原因を冷静に考えてみよう。
あまりにも多くのタイプの不安があると、何から始めていいのか、誰に相談すれば良いかもわからず、パニックに陥ってしまう。
例えば、定年後のお金について、以下の様な疑問点は無いだろうか?
・定年後(或いは再雇用後)にはボーナスが無くなるが、どう対処すればいいか?
・退職金の正しい使い道は何か?
・NISAを始めたいが、どうすればいいか?
・定年後、貯金はいくらぐらいあればいいのか?
・そもそも、年金だけで生活は出来るのか?
・定年後、上手い節約方法は無いか?
・定年後には再雇用に応じた方がいいのか、転職を考えた方がいいのか?
・生命保険の見直しをしたいが誰に相談するのが良いか?
・NISAを始めるにあたって、インデックスファンドの選択はS&P500とオルカンどっち?
・地方移住をすれば定年後のお金の問題は解決できるか?
これだけ多くの疑問点があると、サラリーマンが定年後のお金について不安を持つのも当然である。
3.まずは「お金の不安」の原因について「整理」してみる
上記の様に、定年後のお金については、非常の多くのタイプの疑問点がある。
これを解決していくには、まずは、「お金の不安」の原因となる悩みや疑問点について、類型化して整理していくのがいいのではないか?
フロー | ストック | ||
収入 | 支出 | 資産形成
(定年準備) |
資産管理
(定年後) |
・再雇用か転職か
・年金(金額や受領タイミング) ・金融収益、受取り賃料
…
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・節約方法
・生命保険の見直し
…
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・NISA関連
・積立投資(老後資金の蓄積)
…
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・退職金の使途
・保有不動産 ・退職時に蓄積した金融資産の使途
…
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例えば、私の場合は、この表の様に整理分類してみることとした。
最初に大雑把に、「フロー」と「ストック」に2分する。
年金、給与、ボーナス、節約等については「フロー」の問題として、
退職金、相続、老後の貯金、不動産等については、「ストック」の問題として整理するのである。
次に、「フロー」については、疑問点と対策は結局、収入を増やすか支出を減らす他無いので、「収入」と「支出」の2つに分けてみる。
収入については、再雇用、転職、年金といった収入源に関する問題が該当する。
支出については、広い意味での「節約」の問題であり、生命保険の見直しとか、ボーナスが無くなる場合の対処法も、このカテゴリーに入れていいだろう。
「ストック」については、「資産形成」という如何にして資産を増やすかというテーマと、「資産管理」という現状の資産をどうやって有効活用すればいいかというテーマに細分できる。
或いは、「ストック」については、時系列を中心に、「定年準備」に関するテーマと「定年後」に関するテーマという切り口で細分した方がわかりやすいかも知れない。
そうすると、「退職金の正しい使い道」や「地方移住」(都市部の自宅の売却と地方の物件の購入)については「資産管理」(或いは「定年後」)の問題として整理できるし、NISAや運用(積立投資)に関する問題は「資産形成」(或いは「定年準備」)の問題として整理できる。
もちろん、上記の整理・分類方法が理想という訳ではなく、各自が自分にとって便利で考え易い基準に沿って分類すればいいだろう。ただ、フローとストック、定年準備(定年前)と定年後といった切り口は活用した方が便利でわかりやすいかも知れない。
いずれにせよ、「定年後のお金」については、多くの問題があるし、老後資金を積立て行くには早い段階から準備をした方が良い。
このため、私も、老後の資金に対する問題点を整理した上で、今後1つずつ明確化して、解決策を実行していきたいと考えている。