定年準備、定年までに習得したい3つの習慣

1.定年後の豊かな時間を無駄にしないために

 定年後は、時間を自分の好きなように使うことが許される貴重な時期である。

自分のやりたい事業をやったり、自分のペースで興味本位でアルバイトをいろいろと試してみても構わないし、或いは、大学に通って昔好きだった学問を探求したり、NPOを通じて社会貢献を目指してもいい。

その際に、並行して、サラリーマン時代には出来なかった長期旅行や読書等の趣味を楽しむことも可能である。

 しかし、定年後のプランや行動計画を何にも立てないまま定年を迎えてしまうと、暇を持て余してしまって思考停止に陥り、みんながやっているからという理由だけで、図書館、スポーツジム、チェーン店のカフェで時間を潰し、家ではTVの前に座り続けるパターンに陥りがちである。

 こうなると、自由で貴重なはずの時間が苦痛のタネになりかねない。

 そこで、定年後のこういった事態を回避するために、定年後のプランをしっかり立て、それを遂行しくための行動パターンを身に着けておく必要がある。

 人の行動はすぐには変えられないので、定年前の準備として、以下の3つの習慣化をおすすめしたい。

 2.定年後の時間を有効活用するための3つの習慣

 ノート術

 ノート術については、近年では前田裕二さんの「メモの魔力」が有名だが、昔からこの種のノートを使って人生を変えたり、夢を実現することに係る書籍は非常に多くある。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%81%AE%E9%AD%94%E5%8A%9B-Magic-Memos-NewsPicks-Book-ebook/dp/B07L67XZSS

 難しいことをやろうとしても、結局は長続きしないので、ここでは現実的で実践が簡単なノート術を1つだけ紹介したい。

 その前に、準備としてノートを用意する必要があるが、ここでは、「高級ノート」を使って欲しい。「高級ノート」は、モレスキンが有名だが、A5サイズだと4千円位する。ちょっと高いので、最初は千円前後で買えるロルバーンでも構わない。このあたりは好みがあるので、デパートや大手文具店で実際に手に取ってみて、しっくりとくるものを選べばいいだろう。

https://www.ito-ya.co.jp/category/300/

 「高級ノート」にする理由は単純で、その方が気分が良い、モチベーションが上がるということである。また、ある程度高級なノートだから、丁寧に使うというだろうという期待もある。

 「高級ノート」が用意出来たら、やることは簡単で、そのノートに「自分がやりたいこと」を書く、これだけである。

 ここでのポイントは、大きいことから小さいこと、実現がほぼ不可能なことからすぐに実現可能なことまで、思いつくものを片っ端から、気楽に順不同でとにかく書きまくるということである。

 例えば、「定年後に起業して年商1億を達成する」、「65歳の時点で『億り人』になる」、「ベンツのオーナーになる」といったものから、「家の近くに新しくできたラーメン屋に行く」、「本屋大賞の『成瀬は天下を取りにいく』を読む」といったものでOKである。

 この種のノート術に長けた人であれば、やりたいことが数百個程度出て来るらしいが、最初はノートの見開きも埋まらないかも知れない。しかし、何でもいいから、とにかく書いて行くのである。

 そして、後は、毎月(毎週でも良い)定点観測を行い、実現できた「やりたいこと」を消して行くのである。また、その際に、やりたくなくなったことは消しても構わない。反対に新たにやりたいことがあれば追記して行く。これを延々と続けるだけである。

 そうすると、1年後位には、思った以上に自分のやりたかったことが実現できていることになる、という仕組みである。

 「ノートに書くと夢は実現する!」というのは誇大広告気味であるが、反対に言えることは、ノートに書かない、或いは、ノートに書けないような夢は実現しにくいということである。

 ただ、ノートに実際に書き出してみると、手を動かし可視化することによって、そのやりたいことや夢に対して実際に行動し易くなるということはあるだろう。

 なお、始めるタイミングとしては、お正月、自分の誕生日、新年度あたりがキリが良く、毎年そのタイミングで更新するのがおすすめである。

 日記

 次は日記であるが、ここでは、スケジュールを書き込むことが主目的の手帳ではなく、A5とか、それより1サイズ小さいノートを用意していただきたい。

 そして、ノートと同様に、モチベーションを高め、落書き帳にならないように、高級ノートを使用するのがポイントである。

 ここでやることは、月次、週次、日次で、「計画」(タスク)を立て、レビューを行うことである。例えば、月初に、その月にやることリストを作成し、週次、日次でその進捗状況についてレビューを行い、試行錯誤しながら計画(タスク)を実現していくのである。

 ここでの「計画」(タスク)というのは、先ほどのノート術で述べた、「自分のやりたいこと」やそのために必要なことをブレークダウンして行けばいい。

 「日記をつけるなんて面倒くさい」と思うかも知れないが、ダイエットをしようと思えば食事と運動に関してやるべきことを決めて、それを遂行して行かなければ体重は減らない。

また、貯金(金融資産)を増やそうと思えば、収入と支出をコントロールして、その差額を投資に振り向けて行かないとお金は増えない。

 結局、人生を変えていきたいのであれば、目的に向けて、やるべきことを考え、それを遂行する他ない。そのためには、日々進捗状況をチェックし、行動に反映する必要があるのである。

 この点、定年まで働くことができるようなサラリーマンは根が真面目で、ルーティンワークは得意なはずなので、その気になりさえすれば、特に難しいことはないだろう。

 なお、ブログでこれをやるという方法もあるが、おすすめしない。

理由は単純でブログは圧倒的に多くの人が続かないからである。まず、PCを起動し、ブログの画面に行くまでに時間がかかる。これに対して、紙の手帳は机に置いておけば、すぐにとりかかることができる。

朝活

 朝活とは、朝の時間を仕事や趣味に使うことである。

現役のサラリーマンは平日は難しいので、まずは、休日から始めてみるのが良い。

朝は頭が冴えるので、考えたり、仕事を効率的に進めるのに適した時間帯である。

このため、休日に遅く起きる習慣が出来てしまうと非常に勿体無い。そして、このまま定年後に突入してしまうと、ある意味毎日が休日なので、朝からだらだらとした日が延々と続いてしまい、非常に勿体無い。

 朝活でやることは、上記(2)の日記とも関連するが、その日のタスク(例えば情報発信、執筆、ビジネスプラン等)をこなしたり、ランニングや筋トレ等が典型的なものである。

 年寄りは朝早く目覚めがちということなので、この特徴を利用して、朝の時間帯を有効活用する習慣を作りたいものである。

 すぐには全部できないかも知れないが、費用も掛からないし、特別なノウハウも不要である。

これらを遂行していくと、生活も変わっていくと思われるが、どうだろうか?