節約名人には何らかの共通点がある
私は老後資金を蓄積するための定年準備段階において、節約によって積立資金を捻出しようと考えている。50代になると、年収アップよりも、節約の方が現実的な資金捻出方法だからである。
効率的・効果的な節約を実行するために、私は節約に成功した人達の書籍やYouTubeをいくつも見てきたが、この人達には何らかの共通点があると直感的に感じられた。
そこで、自分が今後節約プランを考えて、それを実行するに当たって、私が感じた節約名人の特徴を、以下、整理したい。
節約に成功する人の5つの特徴
①強固な精神力とモチベーション
節約名人たちは年収が300~400万円と決して高くはないにも関わらず、驚異的な貯蓄率(手取りの半分以上を貯蓄に回す)によって、20代のうちに貯金1千万円以上を実現している。
こういう人達の書籍を読むと、本のかなりの割合を、節約する(お金を貯める)ことに関する精神論やモチベーションを割いている。
正直、私は抽象的な精神論よりも、具体的な節約ノウハウが知りたかったのであるが、節約名人はお金を貯めるには精神力とモチベーションが極めて重要と考えているからであろう。
節約名人は、経済的に恵まれた環境ではなく、借金(奨学金や遊興費など原因はいろいろ)がある状態から、驚異的な精神力によって逆転し、借金返済と貯金に成功した人達が結構多い。「このままでは人生がダメになる」「自分の人生を変えるには節約で資金を捻出するしかない」といった、「人生を変える」系の強いモチベーションが支えになっていたようだ。
私や、ゆとりのあるサラリーマンが定年後の老後資金を捻出するという目的の場合、ここまで強いモチベーションは持てないだろう。
だからこそ、十分な老後資金を貯めることのモチベーションを明確化した方が良さそうだ。
私の場合、何となく老後資金が多ければ多いほど、定年後のお金の不安が無くなるだろうという程度の動機であった。しかし、ここは、より充実した娯楽を楽しむことが出来るとか、なるべく具体的でポジティブなプラントイメージを持った方が良さそうだ。
もっとも、定年まで働き続けることが出来るサラリーマンは、基本的に忍耐強いので、そこまで精神力やモチベーションを意識する必要も無さそうな気もするが、どうだろうか?
②明確な数値目標を持つこと
節約名人は、節約の実行に際して、明確な数値目標を持っている。
「毎月○万円を貯める」、「貯蓄率(貯蓄額/額面収入)○%を維持する」といった、
具体的な金額や比率の目標を持っていることが特徴である。
これは、予算に追われるサラリーマンを長年やっていると、よく理解できるだろう。
ダイエットでも貯金でも、数値目標が無いと始まらない。
これについては、割合と金額の両面から、いろいろ考えてプランを練るのが良いだろう。
私の場合は、額面年収の2割の貯蓄を大雑把な目標とし、それを月々の節約によって、いくらぐらい上乗せできるかについて考えている。
ただ、子供の教育費とか住宅ローンとかで、なかなか「年収の○%」という目標を持ちにくい場合は、単純に、月○万円を節約して積立投資に回すといった金額目標のみでもいいかも知れない。
50代のサラリーマンであれば、月に5万円の積立をすることを前提とした節約プランを考えたいところだが、それも厳しければ、3万円とか1万円とかでもいいので、明確な数値目標を持つ必要があろう。
③記録(家計簿)する
数値目標を決めれば、それを如何に記録して管理できるかが重要になる。
要は、家計簿を付けて管理するということであるが、節約名人は家計簿アプリを使ったり、自分なりのオリジナル家計簿(紙/ノート)を使って、記録と管理をしている。
デジタル化が進んだ世の中ではあるが、必ずしも家計簿アプリが良いという訳ではない。
私達の様な昭和世代の50代は、紙の家計簿で管理しても全然構わない。
紙の家計簿の場合、いちいちアプリを起ち上げなくても、すぐに記入できるというメリットがある。また、目につきやすい机の上とかに置いておけば、忘れずに習慣化し易いというメリットもある。
要は、節約が実行し易ければ何でもいいので、自分に合った記録方法を選択すれば良い。
家計簿を付けるのがどうも苦手という人は、「一行家計簿」という方法もあるようなので、参考にしてもいいかも知れない。
④月次レビューの実施
②で数値目標を決めて、③で日々家計簿やノートの何らかの記録を付けて、その次に求められることが月次レビューの実施である。
まずは、節約の目標を達成できたか否かをチェックする。
達成できた場合には、その内容を吟味し、更に節約の目標額や率を高めることが出来れば最高である。
未達の場合には、その原因をチェックしてみる。
その原因は一過性のものなのか、継続的に生じそうなのか、また、今後の節約目標達成のためにはどのような対策があるかを考える。
まあ、50代のサラリーマンになると、このあたりのPDCAの回し方は染み込んでいるかも知れないが、仕事と個人のお金の管理は別物かも知れないので、きっちりやってみる必要がある。
未達であっても、目標が高過ぎた場合には、現実的な水準に目標を変更しても問題無い。
まずは軌道に乗せることが重要だ。
⑤エンタメ化
節約における最終目標はこの段階である。
節約することが苦痛ではなく、楽しくなっていけば、完璧である。
そうなると、自動的に自分自身で改善点を考えるようになり、節約目標を高めるやりがいが生じ、貯蓄金額はどんどん貯まって行く。
節約名人の書籍を何冊か読むと、みんなそんな感じである。
最初は、強固なモチベーションを作って、必死で耐えながら節約を実行し始め、節約が軌道に乗ると、どんどん借金が減って貯金が増えていく。そして、その結果・数字を見ると達成感が得られ、更に頑張ろうという新たなモチベーションが生じる。すると、節約自体が楽しくなり、節約の成果がどんどん高くなり、ある程度のお金が貯まると運用にも回せる余裕が出来て、ポジティブなスパイラルが完成するのである。
節約名人の本を読んで最も共感したところは、このエンタメ化の段階に到達できれば勝ちということだ。
もっとも、20代の独身サラリーマンと、50代の既婚サラリーマンとは異なり、このような劇的な生活の変化は望めないかも知れないが、このエンタメ化の段階に到達することは可能だと思われる。
そう考えると、最初から難しい目標を設定するよりも、月1万円⇒3万円⇒5万円⇒7万円⇒10万円と、徐々に目標値を上げて行く方が、このエンタメ化の域に到達し易い感じがする。
感想
50代のサラリーマンが定年後の老後資金のために始める節約は、20代の若手の様な劇的な人生の変化を生じさせるようなパワーは無い。
しかし、仕事と同じ要領で、たとえ少額でもきっちり結果を出し続け、目標値を切り上げて行くことができると、上記⑤の節約のエンタメ化の域に入れるのだと思う。そうなると、老後資金は余裕で捻出できるだろう。
私も最初は緩めのプランを練って、軌道に乗れば、目標額を切り上げていくという方向性で進めてみたいと思っている。