50代のサラリーマンが何故今更「年収1億円になる人の習慣」を読むのか?
私は50代の定年準備中のサラリーマンである。従って、今更「年収1億円」を目指そうという意欲も気力も無い。
では、何故この本を読んでみたのかと言うと、「習慣」が興味深かったからだ。本書の著者の山下誠司さんは、1976年生まれの現48歳で、高校卒業後に上京し、年収180万円から美容師を始め、31歳で年収1億円に到達した。現在は「EARTH」という全国に240店の美容室チェーンの取締役をされている。
https://www.diamond.co.jp/book/9784478069646.html
裸一貫で上京し、わずか十数年で年収1億円に到達できたのは、ほぼ休みなく働いたことと、成功するための「習慣」を確立したことにある。
定年後は、時間はたっぷりあるが、その過ごし方については誰も管理してくれない。このため、ある程度、自分で生活をコントロールし、有意義な定年後を過ごすためには、「習慣化」が求められる。
そこで、成功者の「習慣」を参考に、定年後の生活に応用できるものを抽出するために、本書を読むこととしたのである。
このため、部下の育て方、仕事のやり方等の、定年後の生活には一般的に関係なさそうな「習慣」は除外した。また、「グリーン車、ファーストクラスに乗ってはいけない」等の、人によって意見が異なるものについても除外することした。
結局、私の独断で定年後も参考になりそうと思われる「習慣」を抽出しただけであるのだが、自分自身の備忘録として、以下、まとめてみた。
「年収1億円になる人の習慣」から、参考にしてみたいと思った「習慣」
「早起き」で年収が上がる6つのすごい理由
成功している人は何故か「早起き」「朝活」を推奨する。私のこの手の自己啓発書が好きで何十冊と読んできたが、夜更かしとか、深夜の活動を推奨するという話は聞いたことがない。
私自身は既に朝型なのであるが、どういう理由で「早起き」がいいとか、「朝活」をすべきかという理由付けには興味がある。
本書によると、早起きすると、脳がフレッシュな状態で物ごとに取り組むことができるので、著者の体感だと、昼の時間の「4倍」くらい効率がいいという。また、早起きは良いことと一般的に思われているので、早起きができただけで「達成感」が感じられることもメリットと感じられるそうである。また、著者の体験だと、早く起きると、それが結果的に仕事が可能な時間を増やすことに繋がるという。
こういった理由は、早起きの効用として、よく言われているものであるが、著者のように「夜更かし」型の人間が、「早起き」すると特に強く感じられるそうである。
自然と「早起き」が出来る3つのコツ
早起きが望ましいことはわかっていても、なかなか実践出来ない人は多い。このため、早起きが良い理由よりも、知りたい点は、早起きができるコツの方かも知れない。
本書で著者は3つのテクニックを紹介している。
1つは、カーテンを閉めないで寝る、もしくは、薄手の日光を通すカーテンにすることだという。自然光が部屋に入ると目が覚めやすいということである。
2つ目は、「トイレ」に行く時間を早起きできるようにコントロールすることだという。要するに、トイレに行きたくなると目が覚めやすくなるため、寝る前にトイレにいく時間を調節しろということである。
3つ目は、朝食を取る習慣を作るということである。夜更かしがタン人間は、朝がギリギリになりがちで、朝食を取らない人もいるようだ。だから、反対に、朝食を取る習慣を作ると、朝型になるように身体が順応するのだという。
早起きが苦手な人は、やってみてはどうだろうか?
飲食店は名店よりも、面白い店主がいる店を選ぶ
接待・会食のお店選びは、相手に対する「おもてなし」の姿勢が表れるので重要である。著者は、有名な高級店・ミシュラン点ではなく、面白い、個性的な店主がいる店を基準に選択したという。
単なる高級店・有名店は、それなりに成功した人は接待されることも多いので、珍しさとか新鮮さといったインパクトはそれほど無いかも知れない。しかし、「そんな店があるのか」と思ってもらえるようなお店であれば、興味をもってもらい得るのだそうだ。
例えば、東京の都心の「『カレーうどん』が激ウマの『炭火焼』の店」とか、「女将が突然怒り出す面白い店」とか、金沢の「店員が『ヤッホー』としか喋らないお茶漬け店」といった具合である。
もちろん、相手方が興味を示してくれたというのが前提であるが、著者の経験上、単なる有名店よりも、面白い店主がいるような個性的なお店に招待した方が効果があったという。
「毎月3冊」本を読む
著者は、人間の思考は「インプット」した「情報」や「知識」によって出来ると考え、継続的にインプットするために忙しくても「毎月3冊」は本を読むこととした。
時間のある定年後においては、「毎月3冊」は難しく無いのだが、興味深いのは本の選び方である。著者によると、「同じ分野」に属する本を3冊は読むようにしているという。同じカテゴリーの本を3冊読むことで、知識に幅や奥行きは拡がり易く、また、特定の著者の考えに縛られることが無くなるからだという。
また、「歴史書」や「自伝」を勧めていて、その理由は、亡き人、時代が違う人とも本を通じて会うことができるからだという。
私は、歴史書とか伝記というのは、あまり得意なジャンルではないが、有名な歴史本は常々読んでみたいと思っている。ただ、私が参考にしている読書系YouTuber達は小説がメインであるので、別途、面白うそうで読み易そうな歴史の名著を抽出する必要がありそうだ。
「譲っていい9」を無視して、「譲ってはいけない1」を押さえる
これは、「絞り込み」の重要性を説いたものである。著者がフランチャイズ・オーナーに初めてなった際、スタッフの挨拶、身だしなみ、技術などいろいろと不満はあったが、全部うるさく言っても改めてもらえるとは思えなかったので、とにかく「チラシ配り」だけはキッチリできるように徹底して指導したという。そうすると、「チラシ配り」によって、客数が増え、カットの回数が増えて技術が上がり、挨拶の回数も増えて身だしなみも良くなっていったという。
成功するには、まずは「1点突破」が大切だということだ。私の場合、ブログPVを上げるためには、「これだけは1位を取る」というキーワード又はその組み合わせに拘り、そこに記事を集中投下していくべきだと思った。月間PVがとりあえず千を超えた段階で、取るべきキーワードについて考えていきたいと思う。
最初は「不純な動機」でいい。特に大切なのは「物欲」を持つこと
「早起き」と並んで、「物欲」を持つことを説く成功者は多い。私もそうだが、年を取るにつれ、「物」に対する拘りは減って行く一方だが、何らかのモチベーションを維持するためには、可視化できる明確な目標、そして、その象徴的な「物」を持つべきということだろうか。
私が定年後考えている「ひとり起業」は、ブログ・SNSのPVやフォロワー数を増やすことが成功のカギである。そのためには、大量のインプットと、それに依拠した大量のアウトプット、要は情報発信が求められるが、ひとりビジネスであるので、誰もチェックしてくれないし、背中も押してくれない。そこで、自発的な動機付けが必要であり、何らかの「物」を目標にするのがいいというのは理解できる。
ちょっと前は、「フェラーリ」(約4千万円位)を目標にしようかと思ったこともあるが、本当に欲しいわけではないので、すぐに目標とする気は失せてしまった。そこで、もう少し現実的(現実的と言えるかわからないが…)な、ベンツのAMG SL(約2千万円)を目標にしてみるかと考えたりもしている。500万位のオーデマピゲとかブレゲといった時計よりは、クルマの方がインパクトがあるので、今度ディーラーに冷やかしに行こうかなあとも考えている。
ただ、定年後にこの手の「物欲」を持つのは難しいので、何か他にモチベーションの保ち方は無いかなあと考えているところである。
定年後のために、何冊も「習慣」本を読んでみるのは悪くない
ちなみに、この本は2018年に出版された本なので、よほどの大型店に行かないと店頭には無いだろう。ただ、出版当時は町の本屋にもあった気がする。その代わり、ブックオフだと割と見かけるし、しかも安く買える。このため、興味を持たれた方は、ブックオフに足を運んでみてはどうだろうか?
成功者の「習慣」は、定年後の生活においても何らかの参考になりそうなものはあると思うので、今後も引続き「習慣」本を読んで行こうと思う。