定年後の生活の悩みは、経験して見ないとわからないことがある?
私は50代で定年準備を始めている段階であり、当然ながら、定年後の生活はまだ経験していない。準備段階では、定年後の各種の問題を想定して対応策を行うのだが、実際に経験してみて初めて気が付く悩みとかもあるようである。
それに気が付いたのは、YouTubeで、この定年後の生活に焦点を当てた動画をたまたま見掛けてからである。
https://www.youtube.com/watch?v=3_ZdJ8t_P-4
年金生活で、貯金が減り続けることは大きなストレスになる
上の動画の運営者は、65歳でフルリタイアされ、その後はアルバイトとかはやらないで年金のみの生活を送っている。(ただ、数年後からYouTubeでの収益が入るようになった。)
そして、リタイア後の年金生活が始まると、月々は赤字が続き、貯金が減って行くのが思っていた以上のストレスだったという。
年金生活では、当然現役サラリーマン時代と比べると、大きく収入が減る。
もちろん、節約等である程度対応できるとしても、ある程度赤字が発生し、貯金で埋め合わせることは不思議ではないだろう。
むしろ、フルリタイアした後の年金生活の赤字を補填できるために、退職金や定年準備で貯めた老後資金があるのだろう。
このため、年金生活時における継続的な赤字は、ある意味、想定内と言えるはずである。
しかし、いざ経験してみると、かなりのストレスになるのだという。
その理由としては、ある程度、年金生活に備えて貯蓄等はしているものの、いつまで生きるのかがわからないため、よほどの貯蓄額が無い限り、貯金が生きているうちに枯渇してしまいそうになるのは、かなりの恐怖ということだ。
年金生活を始めたものの、赤字続きで強いストレスを感じた場合に、最初に考えること
このご夫婦の場合、赤字続き&貯蓄の減少によって強いストレスを感じたということであり、その時、最初に頭をよぎったのは「働くか?」ということである。
このご夫婦の場合は65歳までフルに働いたので、そこからまた働くかという発想になるのは、かなり追い込まれたのだなあと私は感じた。
とは言え、この動画の中でも紹介されているが、何と65~69歳の就業率は50%以上もあるということである。何と、60代後半でも半分の人は働いているのだ。
そう考えると、フルリタイアして年金生活に入ったものの、お金の面で生活が苦しければ、再度働くというのは、それほど不思議なことではないのかも知れない。
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/s1_2_1.html
ただ、働くといっても、いろいろあり、アルバイトとかで月数万円位と無理がない範囲で働くとか、ネットで自分のペースで少額を稼ぐといったのは悪く無いかも知れない。
ファイナンシャル・プランを作って見るのも、一つの方法
再度働いてみるというのは、お金の面での対応策であるが、メンタル面における対応策としては、ファイナンシャル・プランを作ってみるという手もある。
この動画の中でも言及されているが、年金生活になってからの大まかなファイナンシャル・プランを作って見て、貯金が減り続けても大丈夫ということが確認できれば不安は和らぐだろう。
その際は、家のリフォーム代、クルマの買い替え費用、エアコン、冷蔵庫等の耐久消費財の買い替えサイクル等も踏まえる必要がある。
もっとも、このご夫婦もファイナンシャル・プランは結局作っていないようである。
その理由としては、何歳まで生きるのかがわからないからである。80歳なのか、85歳なのか、90歳なのか、それによって全然違ってくる。ましてや、100歳まで生きるということも絶対無いとは言えないので、そこまで気にすると、ファイナンシャル・プランは作るのが億劫(作っても無駄)になる気は理解できる。
節約には限界がある?
節約というのは、最も即効性のある金銭的な対応策であるが、当然それには限界が有る。
このご夫婦も節約もいろいろやってみたのだが、コロナ以降、ここ数年の激しいインフレによって節約効果は吹っ飛んでしまったという。
ただ、このご夫婦はカツカツの生活をしているわけではなく、旅行とか外食とかも楽しみたいという家庭なので、ギリギリまで節約はしていないのかも知れない。しかし、節約の耐性は家庭によるので、無理してストレスを溜めるのは良くないので、これは仕方が無いと思う。
今からでもNISAは遅くない?
このご夫婦は、積立投資等はあまり関心が無いようで、「今からNISAを始めても、意味があるのかなあ」というようなことを言っていた。
しかし、今からでも出来ることならNISAを始めるのは悪くないはずだ。
このご夫婦は旦那が60代後半、奥様が60代前半なので、普通に10年後も生きている可能性は高いし、20年後も生きている可能性は十分にある。
そう考えると、毎月1万円でも積立投資をし、5%で運用出来たと想定するなら、10年後には155万円、20年後には411万円になる。月1万円程度ならば、例えば、アルバイト収入の1部だけでも原資にすれば十分可能である。それに、減る一方ではなく、NISAで積立をしているという事実があると、心理的な安心感を持つことが出来るだろう。
その意味で、可能であれば月1万円でもやってみる価値はあると思う。
理想は十分な事前準備
65歳を過ぎた段階で、本格的に働いて稼ぐのはキツイと思うが、アルバイト程度で数万円でも稼ぐことができれば多少なりとも安心感は生じるだろう。また、少額でも積立投資を始めるのは遅くない。
とは言え、60代後半から出来ることは限られるので、理想を言うと、フルリタイアするまでに十分な準備をしておくことだろう。
確かに面倒なことではあるが、ファイナンシャル・プランナーに将来のファイナンシャル・プランを作ってもらって、ある程度赤字が続いても対応できる貯蓄額を用意しておいて、お金の状況が見える化できれば、余計なストレスを抱える必要は減るのではないだろうか。
やはり仕事と一緒で、定年後の生活も、周到な計画と事前準備をしておけば、将来のリスクを低減することは可能だと思う。