今まで、いろいろな投資や定年後に関する本を読んだり、金融機関訪問をしたり、FPに個別相談をしたりしてきたが、そろそろ本格的に定年後の資産形成に向けて行動するタイミングだと思う。そこで、50代からの資産形成プランとその流れについて、以下、まとめることとした。
1.毎月の積立投資可能金額を考える
(額面年収の2割が目標)
毎月の積立投資の可能金額を考えるに際しては、サラリーマンの場合は、ボーナスも考慮して計算する必要がある。例えば、毎月5万円で、年2回のボーナスの時に20万円であれば、年間100万円となる。業界や企業によってボーナスの年収の割合が異なってくるので、このあたりは自分に適した金額を考えるのが良い。
理想としては、額面年収の2割を積立投資に振り向けることができれば理想的だそうだ。
何故「2割」なのかというと、論理必然的に導かれる訳ではなく、単に私が昔、FP系の講座を受講した際に、この話を聞いたからだ。
額面の2割ということは、5年で今の年収分の貯蓄が可能ということだ。
そして、10年だと、今の年収の2年分の貯蓄が可能になる。
現在の額面年収が1千万円の場合、額面の2割を貯蓄に回せると、5年で1千万円、10年で2千万円となるので、比較的イメージし易い。
もっとも、額面の2割は結構ハードルが高い。
年収が低いと、税率が低い反面、生活して行くのに最低限必要な金額を控除した残りの部分はあまり多く無いので、あまり余裕はない。
他方、年収が高いと、自由に使えるお金の割合は増える代わりに、税率も高くなるので、それなりの気合を入れないと額面の2割は楽ではない。
ただ、少なくとも額面の1割位、年収1500万円なら150万円、年収1000万円なら100万円位は頑張って、投資に回したいところである。
(積立額を増やすには「節約」がカギに)
50歳を過ぎてからの積立投資の場合、年間の積立投資額を増やすには、「節約」がカギになる。若い時の様に、残業代を稼ぐとか、昇格や転職で年収アップをすることが難しいからである。
また、サラリーマンの場合、年功序列である程度収入は増えているので、今まで節約を意識していなかった場合には、何かしら、絞るべきところがあるはずだからだ。
今までと同じような使い道をするのであれば、投資用に月に数万円捻出するのがやっとかも知れないので、そこから節約で如何に数万円を上乗せできるかが大きな差につながる。
月々、節約を頑張ることが出来ると、ボーナスでも同様に無駄を削って、投資用のお金を作り出すことが期待できる。
住宅ローンの減額のために借り換えは可能か、車にかかるお金を見直し可能か(将来の買い替えプランも含めて)、節約の定番の携帯代金のプランの見直しと保険の見直しはどうか、外食費や交際費はどうか、等々、切り口はいろいろあるはずだ。
無理をしても続かないと意味は無いが、私の場合、とりあえず節約も駆使して、額面年収の2割を積立投資の原資とすることを目標としたい。無理なら、途中で減額すればいいだけの話だ。
2.投資戦略を考える
「投資戦略」と言っても、難しい話ではない。
月当たりの積立投資額、想定利回り、積立期間、この3要素が決まれば、将来の金融資産額が推計できるので、この3要素を考えることだ。
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/
その3要素のうち、積立可能額は上記1で、積立可能期間については50歳を過ぎてからの投資なので10年とする。そこで、ここでは、「想定利回り」をどうするかについて考えたい。
想定利回りは高いに越したことはないが、現実的には、ある程度の目安がある。
FPなどに相談すると、とりあえず、「5~6%」を目指しましょうと言われることが多い。
また、個人投資家向けの投資の解説書などを読んでも、「5%」を想定していることが多い。
これは、単にいままでの株式投資の過去の利回りを参考にした数字ということであろうか。
ただ、ポイントとしては、100%を(外国)株式投資に振り向けるということになる。
具体的には、S&P500とかオルカン(オール・カントリー)等を投資対象とするということだ。
(私は債券も組み入れたいのだが)
機関投資家はポートフォリオに債券を組み入れるので、私はFPに「債券も組み入れたい」と聞いたことがある。
そういうと、FPは「債券を入れると5%の期待利回りは難しくなります。」と返答した。
すると私は、「プロの機関投資家でも債券を組み入れるのに、それだとリスクが高くありませんか?」と聞いてみた。
すると、FPは「個人の積立投資の場合、機関投資家の様に途中で引き出す必要はありません。だからある意味、個人の方がリスクを取れるのです。だから個人の場合は、(外国)株式100%のポートフォリオを勧めています。その代わり、10年、15年、20年と持てばいいのです。」と言う。
確かに、「ほったらかし投資」が可能なお金であれば、FPの言う通りかも知れない。
ただ、50歳を過ぎての投資なので、さすがに、20年も持ち続けることは厳しいと思うが…
ただ、私は5%に拘りがあるわけではないので(何故なら、今までは基本的に預貯金と個人向け国債しか持っておらず、利回りは0%に近かったので)、とりあえずは、積立投資額の半分を外国債券に振り向けてみることとするつもりだ。
何故かというと、私は株や投資信託の投資経験は無いが、十年以上、確定拠出年金には加入していて、選択した投資信託は外国株式と外国債券が半々であるところ、非常に良好な運用成果をあげている。もちろん、過去の投資成果は将来を保証するものでは無いが、株式100%よりは、こちらの方がリスクは低い。
また、これには私の相場観も入っていて、私がリタイアする際には「円が180~200円になっているのではないか」ということを想定している。怖いのは、インフレ・円安なのだ。だから、外国債券でもそれなりなりのリターン(為替差益)が見込めるのではないかという考えもある。
従って、特にそういった拘りが無ければ、FPの言うように100%株式でいい気がする(もちろん、ほったらかし投資が可能な積立投資ということが前提であるが)。
3.金融機関選び
さて、積立可能金額と投資戦略が決まると、後は、金融機関に足を運んで積立投資を実行するだけである。
個人が積立投資をする場合、個人向けの投資の教科書を読むと、大手のネット証券、例えば、SBI証券、楽天証券、マネックス証券がいいと書かれている。
理由は単純で、取引コストが安く、変な勧誘をされないからである。
また、ポイントが付くという特典もあるようだ。
私も、将来的には、SBI証券か楽天証券の口座を開設したいと思っているのだが、
とりあえず、積立投資を始めるに当たっては、信託銀行で取引したいと思っている。
それは、今まで株式投資というか、預貯金と個人向け国債しか持っていなかったので(確定拠出年金は除く)、ある程度、対面サービスを受けられるところが良かったからだ。
そして、非ネット系大手証券会社だと変な商品を勧めてくるリスクがあるし、メガバンクは普通預金があるので、ほったらかし投資としての積立投資は投資専用の金融機関でやるのがスッキリしていると考えたからだ。
さらに、信託銀行というと、普通の銀行と違って、個人は投資(有価証券投資や不動産投資)のために利用する銀行であり、顧客はお金持ちが多くてカッコ良さそうというイメージもある。
そういう訳で、近々、信託銀行に足を運んでみるつもりだ。
4.その後のモニタリング
これは、実際に投資を介してからの話であるが、積立投資を開始しても、それで終わりということにはならない。
投資後も、その推移をモニタリングしていく必要がある。
もちろん、「ほったらかし」型の積立投資であるので、短期で一喜一憂して、運用内容を変えるというつもりはない。
ただ、3年とか5年位のスパンで、投資成果を考慮しつつ、投資対象を変更する可能性は有る。私の場合、(外国)株式と(外国)債券の半々で始めるつもりだが、5年後には、(外国)株式100%にするかも知れない。
また、株と債券とを半々で始めると、株の方が期待リターンが高いため、順調に行くとポートフォリオにおける株の比率が高くなる。そこで、リバランスをどうするかということを考えるかも知れない。まあ、これは5年後位の話だと考えている。
そういう訳で、始めるタイミングは決して早くは無いが、私も定年後の資産形成に向けて、投資を開始したい。