定年準備中の50代が、何故20代のミニマリストに興味を持ったか?
私は50代で昨年から定年準備を始めたばかりである。
しかし、たまたま、YouTubeで見かけた27歳(当時の年齢、今は31歳)のミニマリストの、この動画が非常に気になった。
https://www.youtube.com/watch?v=jgBDMq_izzU
ミニマリストというのは、ここ最近、20~30代の若者の間でも流行り始めているようだが、必要最小限の物や出費で生活する、シンプルな生き方をする人達のようだ。
ミニマリスト達は、当然「節約」も意識的に行っている人達なので、その点は定年準備や定年後の生活にも通じると思われる。
また、「節約」というお金の面だけでなくて、「シンプルな生き方」というのも、興味深いと感じられた。
(当時)20代後半のミニマリストの「月10万円で生きる方法」
なお、最初に説明しておくと、この方は当時27歳、現在31歳の独身男性なので、「月10万円で生きる」というのは、独身(一人)を想定したものである。従って、例えば、定年後に夫婦二人での生活を想定すると、あてはまらない点も多い。従って、定年準備という観点では、「10万円」という金額よりも、その節約の考え方を参考にした方がいいだろう。
①月10万円で生きるコツは、とにかく固定費を下げること
このミニマリストの方によると、月10万円で生きるコツは、固定費を下げること、これに尽きるという。逆に、固定費の削減に成功しさえすれば、後は出来たも同然という。
これは、「節約」に基本が「固定費」を下げることに通じるものである。
そして、固定費の削減のうち、「家賃」を下げること。
これが最重要という。その理由はシンプルで、固定費に占める最大の費用項目が「家賃」であって、他の固定費項目、例えば、光熱費、通信費、保険代等と比べて、圧倒的に大きいからだ。逆に「家賃」を削れないと、光熱費や通信費等をいくら削っても、月10万円で生きるのは非常に厳しいということだ。
なお、このミニマリストの彼の当時の家賃は2万4千円と、大阪市内であることを考えると驚く安さだ。ただ、それは広さが11㎡しかないというのが安さの秘密で、荷物の少ないミニマリストだからこそ出来る技だという。ただ、この彼は前の家賃が8万3千円だったというので、ものすごい家賃の削減に成功したのである。
彼の他の固定費項目、水道光熱費、wifi含む通信費等が全て合わせて1万7千円なので、月の固定費は4万1千円。後は、食費等の変動費であるが、約6万円もあると余裕ということだ。
②物を買わない:被服費を抑える
彼によると、家賃を大幅に削減すると、月10万円での生活は出来たも同然という。
ただ、変動費では被服費のコントロールが重要だという。
基本、服は持っているものを使えば特に買わなくても生きていけるという考え方である。
③外食費を抑える
外食費の削減と言うのは、変動費の節約におけるセオリーでもある。
要は、自炊せよということだ。なお、ここでの留意点は、狭義の外食だけでなくテイクアウト・中食、コンビニ等でのオヤツや酒代も抑制対象にしろということだ。
但し、彼は月の食費は2万5千円であり、1万5千円でも可能だが、あえてゆとりを持たせていると言っている。外食しない分、自炊での食費には余裕を持たせることによって、ストレスを貯めずに、メリハリをつけているようだ。
④あたりまえを見直す
上記の①~③は、そのまま応用しにくい点もあるが、興味深いのはこの点である。
これは、金額、数値目標というより、定性項目である。
「あたりまえ」というのは、特に拘りがあるわけでも無いのに、惰性で行っている消費を見直すということである。
例えば、コンビニでのオヤツが大好きで、それが日々の楽しみになっているのであれば構わない。しかし、特にそこまで好きでもないのに、習慣化してしまっている場合には止めるべきだということだ。これはコンビニやスーパーでのビール・お酒も同様だそうだ。日々の晩酌が生きがいなら辞める必要は無いが、何となく惰性で毎晩飲む習慣になっている場合には止めた方がいいということだ。
これは、何となく入会して続けているスポーツクラブなども同様で、別に、散歩や家での筋トレ・ストレッチで代替可能なはずなので、特に拘りが無ければ止めた方がいいということだ。
反対に、彼の様に音楽が大好きで毎月千円程度のSportifyをサブスクしているのであれば、止める必要は無いということだ。
要は、惰性や「周りがやっているから」という理由だけで、自分が何となく続けている支出は見直すべきだということだ。
これは「節約」名人も強調している哲学で、優先順位、自分の幸福感に基づくメリハリ消費を心掛けましょうということである。この点は、定年後の生活においても、大いに参考になると思われる。
⑤小さな幸せの認識
さらに、上記④を一歩進めた考え方がこれである。
私が彼の動画で最も共感した点である。ミニマリストが一部の若者の間で流行る理由はこれではないかなあという気がした。
彼の場合の例だと、彼は朝、家の近くの公園を好きな音楽をヘッドホンで聞きながら、コンビニで久しぶりに買った120円のコーヒーを飲みながら散歩していた時、「何て自分は幸せなんだ」ということを認識したという。
別にお金をかけなくても、気候がいい朝、良い環境で、大好きな音楽を聴きながら、たまの贅沢にコンビニ珈琲を買って、それを飲みながら散歩する。これだけで十分幸福感を感じることができるというのは、何となく共感できる。
長年サラリーマン生活に慣れきってしまうと、日々の業務とかに目先の小さいことに囚われ、こういった日常の小さな幸せに対する感性が鈍っているところがあるだろう。
しかし、定年準備段階で、プレッシャーの高い仕事は減り、再雇用・定年になると仕事絡みのストレスは減っていくはずだ。その際、嫌なことが無い嬉しさ、日常的な小さな幸福感を認識して、それを楽しむことができれば、非常に日々の生活は良くなっていくだろう。
この点は、大いに参考にしたいと思った。
この記事のタイトルは「月に10万円で生きる」ということだが、より重要なのは節約術ではなく、生き方の視点ではないだろうか?
そういうわけで、ミニマリストの生活が気になったので、今後も、時々フォローして行きたい。