1.定年後の「暇」を上手く活用して、少額でも楽しめる娯楽はあるはず
定年後は給与収入が断たれるため、娯楽に使える予算は現役の時より減るかも知れない。
しかし、定年後は、何と言っても、時間は豊富にある。この「暇」という定年後の武器を最大限活用することによって、忙しかったサラリーマン時代にはできなかった娯楽を満喫したいものだ。
娯楽にはいろいろな種類があり、未経験のものでも、とりあえずやってみることだ。
お金がかからない娯楽であれば、面白く無ければ続ける必要は無く、次の候補を探せばいいだけなのだ。
もっとも、定年後に新たな娯楽を見つけ出そうとしても、定年後には腰が重くなり、新しいことに挑戦することが億劫になるリスクがある。そこで、定年準備の一環として、50代になれば、定年後に楽しめそうな娯楽を少しずつ試してみたい。
2.お金がかからない、定年後に適したと思われる娯楽の例
娯楽の種類は非常に多いので、到底候補を書き切ることはできないが、とりあえず思い付くものや、自分が試してみたことがあるものについて、とりあえず以下で紹介する。
(1)ブックオフ読書
ブックオフ読書とは、ブックオフで古本を買って読むことである。
ブックオフであれば、500円玉ワンコインで、文庫本や新書を数冊買うことが可能であろう。
そうすると、わずかワンコインで一週間位、買った本を楽しめそうなので、お金がかからない娯楽といえるだろう。
何故ブックオフ読書なのか?
まず、図書館で借りるのはダメということだ。
図書館には定年後の高齢者が結構いるという話を聞くが、タダで借りた本は読むのが雑になりがちだし、返却期限があるので、じっくり読みにくい。
他方、たとえ少額でもお金を払って買った本は、返却を意識する必要は無いし、せっかく買ったので、積読にならずに実際に読む可能性が高いからだ。
その意味では、お目当ての本があればピンポイントでメルカリで購入して読書を楽しむという方法もあろう。
しかし、ブックオフに出かけて買うというのがポイントで、店内を徘徊すると、掘り出しものに出会える可能性もあるからである。定年後に引き籠りになるのは良く無いので、出歩くことに繋げることが望ましい。
この「ブックオフ読書」は、定年準備としても十分可能で、その間は短編等の読み易いものにフォーカスして行けばいいのではないだろうか。そうすると、長編、大作ものは、定年後の楽しみとすることもできる。
(2)大学の公開講座等
上記の「ブックオフ読書」から一歩踏み込むものかも知れないが、定年後も知的好奇心を刺激しておきたいものである。その場合、娯楽というよりも「教養」目的と言えるかも知れないが、大学の公開講座等を受講してみるのも面白い。
この点、「セカンドアカデミー」という便利なサイトがある。
これによって、地域・ジャンル・費用別に、公開講座を検索することが可能だ。
https://www.second-academy.com/
例えば、「東京」「世界史」で検索すると、早稲田大学エクステンションセンターの「ロシア・ウクライナ戦争とEU」とか「シルクロードは麺ロード」といった面白そうな公開講座が見つかる。
また、「東京」「自然科学」で検索すると、東京理科大学オープンカレッジの「電磁気から始める相対性理論」といったものもある。
(※これらは、2024年秋に検索したもの)
受講料は2-3千円のものから、数万円のものまであるが、数万円のものは全3回とか6回とか複数回の連続講座であることが多いので、1か月あたりの単価で考えると特別高額なわけではない。
なお、ここでのポイントは、オンライン受講ではなく、対面受講を選択することだ。
そうすると、母校以外の大学のキャンパスの雰囲気を味わうことが出来るし、自分と似たような境遇の受講者とお友達になれるかも知れない。定年後も、なるべく社会との接点は多くしておいた方がいいだろう。
また、各大学のキャンパスでの公開講座以外にも、例えば、慶應丸の内シティキャンパスで開催されている「夕学講演会(せきがくこうえんかい)」といったものもある。都心で学習する雰囲気を味わいたければ、こういったものもいいだろう。こちらはビジネス系の講座が結構充実している。
(3)近場の鉄道巡り
定年後の娯楽の代表格は「旅行」である。
定年後の自由な時間を使って、現役時代にはなかなか出来なかった旅行をゆっくり楽しむというのは非常に良いことだと思う。47都道府県完全制覇など、いろいろな切り口で旅行を楽しむことは可能だ。
しかし、旅行はお金がかかるので、そう頻繁に行けるとも限らない。
そこで、近場の鉄道巡りはお勧めだ。
男性の場合は、「鉄道派」と「車派」に大別されるということを聞いたことがあるが、鉄道には本能的に惹かれる何かがあるのだと思う。
近場の鉄道巡りであれば、お金がかからないし、やり様によって非常に充実した定年後の娯楽になり得ると思う。
例えば、東京メトロの一日乗車券は僅か600円位から買えるので(2024年11月現在)、首都圏在住でも行けていない名所を回っていくことが可能だ。
また、それよりも若干マニアックな楽しみ方として、自分が通勤に使っていた路線の駅の完全制覇という楽しみ方がある。これは路線にもよるが、小田急小田原線とか、西武池袋線あたりだと非常にやりがいがあるだろう。
また、通勤の路線とは関係無く、江ノ電、井の頭線、世田谷線あたりの人気の路線の駅の完全制覇という切り口もある。
自分自身でスタンプラリーのようなことを考えて実行するわけであるが、これは自ずと外出してそれなりの距離を歩くことになるので、精神衛生上も健康上も悪くない娯楽だと思う。
(4)B級グルメ巡り
定年後のおかねのかからない娯楽としては、B級グルメ巡りというのも面白い。
B級グルメなのでお金はかからないし、定年後は「暇」という武器があるので、行列店に並ぶのも良いし、勤務時間という拘束が無いので開店のタイミングを狙うという手もある。
いずれにせよ、サラリーマン時代より、活動は圧倒的にし易いはずだ。
これも、上記の近場の鉄道巡りと同様に、いろいろな切り口でB級グルメ店の候補を考えることができるし、スタンプラリー的な「完全制覇」狙いというのもアリだろう。
例えば、「神保町」の「カレーの名店」巡りというのも悪くないだろう。
以下のリンクは食べログのランキングであるが、エチオピア、ガヴィアル、ボンディ、ボルツと聞いたことがある店が並んでいる。
https://tabelog.com/curry/tokyo/A1310/A131003/rank/
他に、「スパゲティ」、「ハンバーグ」、「麻婆豆腐」、「とんこつラーメン」等、「エリア」×「ジャンル」で検索をすると、いくらでも切り口が見つかる。
1週間に1店、これらのB級グルメ店を訪問するというやり方もあるだろう。
また、有名大学の「学食」巡りをやってみるという手もある。
大きな大学であれば、いろいろな人が出入りしているので、定年後のオジサンが学食にいても変な目では見られないだろう(と思う…)。
(5)定年後ひとり起業
「起業」と言うと、娯楽ではなくて、仕事なのではないかと思われるかも知れない。
しかし、私としては、定年後の「起業」というのは究極の娯楽ではないかと思っている。
「ひとり」起業というのがポイントで、誰かを雇ったり、お金を掛けずに小さく自分1人で行う点が重要である。そうすれば、失敗してお金を失うリスクも無いし、売上・利益を気にせずに、お気楽にやることが可能だからである。
人を雇わず、借入、仕入れ、設備、オフィス等が一切不要な「ひとり起業」と言うと、ブログ、YouTube、SNSで集客して、自分の特技・サービスを売り込むタイプのものがメインとなるだろうか?自分の手作りのものを売るEC的なものも含まれるかも知れない。
収益手法としては、アドセンス、アフィリエイト、コンテンツ販売、個人コンサル・セミナーといった形である。難しいサービスや特殊な技能は無くとも、ブログ・SNS等で集客して家庭教師をちょっとやるといったものでもOKだ。
要するに、自分自身が満足出来ればいいのである。
名著「定年後」(楠木新著)によると、定年後の最大の課題は、お金、趣味ではなく、「居場所が無いこと」だという。その点、たとえ月に数万円というバイトレベルの金額しか稼げなくても、自分の新しい「居場所」が確保できる。
「ひとり起業」のために、情報をインプットするために人と会ったり、本を買ったり、セミナーに出たり、ウェブビジネスを勉強したり、やることはいくらでも出来る。また、新たな人脈も形成できるだろう。
定年後に「起業ごっこ」のような面倒なものはやりたくないという人はやらなければいい。
ただ、サラリーマン一辺倒で40年前後も働いてきたら、「経営者」、「自営業」に惹かれる人もいるだろう。企画、商品開発、営業(集客)、経理まで全て自分自身の裁量で行えるということに魅力を感じるサラリーマンは結構いるのではないだろうか?
これは、大きなテーマでもあるし、私自信も将来的にこれが出来たらいいなあと思っているので、今後、掘り下げていきたい。
3.お金のかからない娯楽をバイト、起業、金融収益で賄えると一石二鳥である
上記2で例示したような娯楽であると、全部合わせて月あたり数万円からで可能だろう。
それぐらいの金額であれば、年金とは別に、バイトとか金融収益でも賄うことが可能であろう。また、上記2(5)の小さな起業でも同様だ。
そうすると、定年後にもお気楽でストレスの貯まらない範囲で働くことによって社会との接点を持ち、そのお金で充実した娯楽も実現できて、非常に充実した定年後を過ごすことが出来るのではないだろうか?
また、定年準備の段階で少しずつ金融リテラシーを磨いてお金を貯めて、そこからの金融収益から娯楽に振り向けることができれば、退職金、年金、相続財産等をキープすることが出来、経済的にも余裕が持てる。
お金のかからない娯楽は年金の範囲でもある程度対応できるのだろうが、出来れば、年金とは別にバイトや小さな起業から捻出することを考えれば尚良しだと思う。
4.お金がかかる趣味も併用できると更に楽しい?
ここではお金のかからない娯楽を取り上げたが、定年後に、お金のかかる娯楽はやらない方がいいということはない。
むしろ、定年後のちょっとした贅沢ということで、予算の許す範囲でたまにはお金のかかる娯楽を楽しむことは良いだろう。
例えば、以下のような感じである。
- 読書
普段はブックオフだが、たまには話題の新刊を買ってみる。
- 近場の鉄道巡り
たまには特急列車を使った旅をしてみる。
- B級グルメ
たまには高級寿司屋やミシュラン☆付きレストランに行ってみる。
お金のかからない娯楽と、お金のかかる娯楽、併用すると、それぞれの良さが浮かび上がって来て、更に充実しそうな気がするが、どうだろうか?
5.定年準備として、定年前からの実践が大事
せっかくの定年後を十分楽しむためにも、50代から、定年準備の一環として出来ることから少しずつでも始めてみたい。
特に、2(5)の「定年ひとり起業」を実現するには、ブログ、SNS運営等を覚える必要があるので、早めに試しておくべきだろう。
なお、「定年ひとり起業」については、こういった本もあるので、参考にすればいいだろう。