ボーナスが無い生活を想像できるか?
サラリーマンにとって、定年後のお金を考えるにあたって、ボーナスが無くなることを想像すると、非常に頭が痛い。
多くの日本の大企業の場合、年2回のボーナスが一般的であり、50代にもなると、その生活に慣れきってしまっている。
しかし、完全にリタイアした年金生活の定年後はボーナスは当然無いし、その前段階の60歳からの再雇用後も、ボーナスはもらえないケースが多いだろう。
そうすると、定年準備の一環として、ボーナスが無くなる遠くない将来の対応策を考えておきたいところである。
ボーナスが無くなると、何故困るのか?
サラリーマンにとって、ボーナスが無くなれば大いに困るというのは直感的に間違いないのだが、具体的に、どういった面で困るのかはボーナスの使途によって違うのではないだろうか?
極端な場合を考えると、ボーナスのほとんど全額を貯金・投資に振り向けていたのであれば、それらは定年後の資産形成が目的なので、定年時(再雇用時)以降無くっても、大きな問題はないだろう。
また、ボーナスの大半を住宅ローンの返済に充当しているのであれば、ボーナスがもらえなくなるまでに完済できるという前提なら、この場合も生活に大きな影響は無いかも知れない。
反対に、上の真逆のケースで、ボーナスの大半を形の残らない遊興費(高額な飲み・レストラン)、娯楽(旅行等)に使っていた場合はどうだろうか?
これは、ボーナスがもらえなくなれば、我慢できるというのであれば、意外と深刻な問題ではないかも知れない。何故なら、日常生活自体には影響が無いからだ。
他方、生活必需品をボーナスに依存していた比率が高いと、結構ヤバくなる。
この場合、ボーナスが無くなれば、その分は、貯金等で補填しないと行けなくなるからだ。
例えば、足としての車の買い替え・修繕費用とか、家屋の修繕費用、家具・エアコン等の耐久消費財の購入費用のほとんどをボーナスに依存した場合、ボーナスが無くなると、その原資が無くなってしまうのである。その場合、貯金等をすることにより準備が必要となる。
最悪なのは、日常の生活費自体を、ボーナスで補填するようなケースである。
例えば、固定資産税、自動車税、日常的なスーパー、ユニクロ等での贅沢品ではない食費・衣料費、その他カードローンとかの原資をボーナスに依存している場合である。
この場合は、ボーナスが無くなると、たちまち日常生活に支障を来すおそれがある。
それでは、どのような対応策を採るべきか?
まず、実際に多くの人はボーナスをどのように使っているのか、統計を確認しよう。
https://doda.jp/guide/bonus/usage/
「ボーナス 使い道」で検索をかけると、何故か転職エージェントのdodaのコンテンツが一番上に出て来た。
このコンテンツの下の方の「ボーナスの貯金割合はどのくらい?」というのが衝撃的で、
「全体の40.8%がボーナスの半分以上を貯金に回す」ということだ。
しかも1/4以上の人が75%以上を貯金に回しているというのは驚きだ。
次に、年代別のボーナスの使い道で、50代を見てみると、
何故か「生活費の補填」というのが最も多い。
ただ、これは「教育費」であったり、ちょっとした贅沢品もここに含まれている可能性があるので、ギリギリの生活をしているというわけでは無さそうな気がする。
次に多いのが旅行で、まあ、これは納得が行く。
金融商品や貯蓄は、それぞれ10%台で意外と高くない。
他方、ローンや借金の返済が約2割というのは、ちょっと心配になる。
まあ、半分弱の人はボーナスの半分以上を貯金に回しているので、これだと問題なさそうである。反対に、ボーナスから貯金や投資が出来ていない人は、そろそろ真剣に老後資金の準備をしないとマズそうな気がする。
それでは、具体的にボーナス使途をどのように変えて行けばいいのか?
まずは長期的なゴールとそれまでのプランを考える
今のボーナスの使い道に問題が多いからと言って、焦って、急に変えない方がいい。
無理な節約はかえってストレスが貯まり、結局、そういったプランは途中で躓くリスクが高いからだ。
50代と言っても、年代に幅はあるが、60歳前の最後のボーナス時点で、大半が老後資金のための貯金・投資、高額な出費の備え、旅行等娯楽費になっていれば良いのである。
そのゴールに向けて、徐々に修正して行くのが現実的な対応ではないだろうか。
車の買い替え、家屋の修繕費、家電・家具等の高額支出を長期的に見積もる
車(日常の足としての車)の買い替え時期、家屋の修繕が必要になりそうな箇所、家電・家具等について、60歳時点位までの期間、費用や支出のタイミングを大雑把に見積もる必要がある。
こういった出費が突然発生し、ボーナスがそれで消えてしまうことが無い様、予め準備するのである。
そのためには、老後の貯金とは別に、このような高額な出費に相当する額を毎回積み立てる(別の銀行口座にでも移しておく)ことが望ましい。
上記の支出を踏まえた上で、老後に必要な貯蓄目標とその準備について考えてみる
車、家電、家具の買い替え費用や家屋の修繕費はどこかのタイミングで必ず発生するだろう。
しかし、60歳を過ぎてボーナスが無くなると、ボーナスによって対応することが出来ない。
その分は貯金で賄う必要があるので、これらの費用の全部或いは一部について必要な貯金額を別途概算しておく必要がある。
そして、あとは月々の積立にプラスできる軍資金を如何にボーナスから捻出することが出来るかであるが、ここも無理をし過ぎない方がいい。積立投資は長く続けることが肝要なので、途中で挫折しないようにしなければならない。
従って、例えば、6万円を積立投資資金として1回のボーナスから捻出できると、月々の積立に1万円を加えることができる。12万円であれば2万円である。このあたりを、将来の目標貯蓄額を踏まえた上で、実行することが重要だろう。
旅行・娯楽費を上手に使う
ボーナスは、サラリーマンにとって半年に一回のお祭りなので、旅行や娯楽、多少の贅沢に使わないとやってられない。
とは言え、将来のための貯蓄も大事である。
そこで、旅行・娯楽費については、なるべく満足度を落とさないで、少し予算を削るというのを考えてもいいかも知れない。例えば、旅行であれば大型連休は避けるとか、比較的近い場所で満足度の高そうな場所を探してみるといった工夫だ。
まあ、このあたりはストレスが貯まらないように、無理をする必要は無く、じっくりやって行けばいいと思う。
以上のように、自分なりに整理してみたが、私の場合も全然このような計画的な使い方は出来ていないので、今後は少しずつでも是正して行きたい。