1.節約の王道、固定費削減をどう進めるか?
節約に関する書籍やウェブコンテンツは非常に多いが、どれも「固定費削減」がカギであるという点は共通のようである。
このため、節約を実行するに当たっては、固定費の見直しが必須なのだろうが、具体的にどのように進めるのがいいかについては、特定の節約のプロを参考にするのがいいだろうと私は考えた。
そこで、私は「くらま」さんの書籍やコンテンツを参考にすることとした。
https://www.youtube.com/channel/UCdoqNcqLb6b1qPzZW8wAIbg
この「くらま」さんは、東京都内で1人暮らしをしながら、社会人1年目で奨学金約300万円を完済し、その後の4年半で貯蓄2000万円を達成した、凄腕の節約家である。
手取りの7~8割を貯蓄に回すという、一般人にはとても不可能なレベルの節約のプロなのだが、その一部でも実践できると、それなりの効果が期待できるのではないだろうか?
固定費の定義
固定費の削減が節約のカギであるということは聞いたことがある人も多いと思うが、
まず「固定費」とは何かを確認しておく必要がある。
上記のくらまさんの本によると、「固定費」とは、
「毎月の支出が一定なもの、大雑把に言うと、教育費、光熱費、通信費、家賃、車などです。」
とある。
もっとも、人によって、固定費と変動費の区分が異なるケースもあるので、そこは要注意ということだ。
本書で、くらまさんが解説をしている固定費は、このうち、家賃、車代、保険代、水道光熱費である。
何故、節約において固定費削減が大切か?
固定の細かな定義よりも、むしろ、重要なのは固定費削減が重要な理由である。
本書を参考にその理由を考えると、以下の2点である。
- 節約の金額的なインパクトが大きい
- 効率性
まず、①のインパクトの大きさであるが、節約の目的は「いくら」「何円」をトータルで浮かせることができるかであって、重要なのは、「結果」・「金額」であって、「努力」・「プロセス」ではない。
従って、金額的に削減の大きい項目を重視しないと、大した効果は出ない。
後述する、家賃、車代、保険代といった支出割合の高い項目であれば、それなりの金額を削減できる余地はあるだろうが、1円でも安い食材を探しにスーパー巡りをしたり、電気をこまめに消して光熱費をセーブするような行動を取っても金額的なインパクトは小さい。
次に、効率性というのは、固定費は毎月、定期的に必ず発生するので、固定費の削減が習慣化されると、安定的な削減効果が期待できる。
反対に、毎月、定期的に発生しない娯楽費(旅行等)や交際費(冠婚葬祭費等)を削減しようとしても、不定期なので、その効果が毎月期待できないし、フォローアップ・管理して行くことが面倒で効率が悪い。
以上の様な理由から、固定費の削減が節約にとって重要なのである。
2.くらま流、固定費削減のポイント
※なお、最初にお伝えしておくと、この節約法を遂行している時点における、くらまさんの年齢は20代で、かつ、独身である。このため、老後資金捻出に向けて節約を考えている50代・既婚の人にとっては参考にできないところはあるが、とりあえず、本設では上記のくらまさんの書籍に基づいた固定費削減方法を紹介する。
家賃を制するものは蓄財レースを制す
家賃は一般的に個人の支出における最大の項目なので、ここを削減することにより、最大の効果が得られるということである。
本書では、「家賃は高くても手取りの3割以内に抑えろ」ということである。
ちなみに、くらまさん自身は、会社の家賃補助があるため、月当たりの家賃は5千円、手取りの0.2割という。
もちろん、50代サラリーマンで、家庭がある人にとっては無理な話であるので、ここは後ほど、その応用法について考えたい。
車を所有しないという選択肢は支出を下げる
車に係る費用は、個人の支出では家賃の次くらいに高いものだろう。
車の購入費用、修理代、保険代、駐車場代等、様々な費用が生じるので、車は持たなくて済むならそれに越したことは無い。
もっとも、車を持たないという選択ができるケースとそうでないケースがある。
都市部在住のサラリーマンで、時々休日にレジャーとしてしか車を使用しないのであれば、これは検討に値するだろう。
保険
これは、どんな節約本、どんなFP講演会においても、「節約」という必ず言及される項目である。
日本の場合は、社会保険が非常に充実しているので、保険は最低限に抑えて、あとは積立に回した方がいいということである。
私も、20年以上、何も考えないまま月2万円程度の生命保険料を某外資系生保に払い続けている。ちょっと見直したら、1万円くらいは簡単に浮きそうな気がするので、ここは近々、保険の窓口あたりに行ってみようかと思っている。
3.50代の夫婦世帯においては、固定費削減をどう考えればいいか?
上記2の、くらまさん流の固定費削減術を一部でも実践できると、
軽く月に数万円位は浮かせることが出来そうなのだが、何と言っても、20代独身の人と、50代の既婚世帯とは状況が違い過ぎる。
このため、実践するには、50代・既婚世帯向けに焼き直す必要がある。
(1)家賃
そもそも、50代のサラリーマンが家賃を払っている状況じゃ、厳しい気がする。
ここは「家賃」ではなく「住宅ローン」と置き換えた方がいいかも知れない。
「住宅ローン」であれば、借り換え、期限前返済、といった選択肢があるので、
上手く切り替えることができれば、月に軽く1万円以上節約することは可能であろう。
このあたりは、チェックポイントが明確であるので、銀行主催の無料のFP相談会等を利用してみてはどうだろうか?
あと、家賃削減の話とはズレるが、持ち家のサラリーマンの場合、定年後に住宅ローンは完済できたとしても、維持費、補修費等の費用が生じる可能性が高い。このあたりは避けられない費用であるので、このタイミングで必要な費用と原資について、見積もっておくべきだろう。
(2)車に係る費用
車については、持つか持たないかというゼロイチの議論ではなく、
定年後を考えると、車を持ち続ける選択をしても、節約の余地はあるだろう。
それは、子供が成人した場合等を想定して、車のタイプやグレードを下げてみるという考え方である。
今時、昭和とは違って、「車はステータスシンボル」の時代ではない。
実際、都内の一等地の新築億ションでも、駐車場は戸数の4割未満しか無い物件はいくらでもある。それは、富裕層であっても、車を保有しないという選択をする人が珍しくないということである。
国産車の場合でも、流行りのSUVからコンパクトカーにするだけで、大きな節約になる。
また、セコイ話かも知れないが、大きめのSUVとコンパクトカーとでは、燃費もそれなりに違うので、ガソリン代が高い現状においては、結構な違いとなる。
車の場合、ちょっと見直すと、節約のヒントは見つかるように思える。
(3)生命保険の見直し
これは、上述の通り、既に保険代の見直しをしたサラリーマンで無ければ、誰にでも保険代削減のチャンスはあるのではないだろうか?
実は私も保険は詳しく無いので、今後、保険の窓口に行ったり、
FPに相談するなどして、生命保険を見直したい。
(ちなみに、初めてFPに相談に行った際には、「保険は基本要りません」とアドバイスを受けたが、具体的にどの保険にするかまでは話さなかった。)
(4)通信費の見直し
上記のくらまさんの本を読んで不思議だったのが、通信費、要するに携帯代金の節約に対する言及が無かった点である。
ここは見直しをしたいところであるが、仕事でも使っているサラリーマンの場合には、何となく心理的に変えたくないというところがあるのかも知れない。
ただ、サラリーマンの場合、役職定年、再雇用と、だんだん仕事に対するプレッシャーや緊張感が大きく下がる段階があるので、そういったタイミングで見直しを行うというのでもいいだろう。
仕事ではほとんど使わないというサラリーマンであれば、早めに対応した方がいいのではないだろうか?
上記の様な固定費の項目の見直しは、出来る人とそうでない人とがいるだろうが、金額の割合が高いので、上手く行くと月に5万円以上も可能なのでは無いか?
少なくとも、1万円は何とかしたいところである。